1991年12月7日時点の産経新聞の認識

1991年8月14日に名乗り出た元日本軍慰安婦の金学順氏は、同年12月6日に日本政府を提訴しました。

1991年12月7日 産経新聞

日本政府は謝罪を

従軍慰安婦で提訴の金さん 若人に歴史知ってほしい

 太平洋戦争中、旧日本軍の従軍慰安婦として精神的、肉体的苦痛を強いられたとして国に対して補償を求める訴えを東京地裁に提訴した金学順さん(六七)が六日、大阪市南港区の「リバティおおさか」(大阪人権歴史資料館)で記者会見し「日本の若い人たちに過去の侵略の歴史を知ってもらいたい。日本政府は従軍慰安婦の存在を認め、謝罪してほしい」と強く訴えた。
 金さんは十七歳の時、日本軍に強制的に連行され、中国の前線で、軍人の相手をする慰安婦として働かされた。「軍人が来ない日はなかった。五人の女性がいたが一日に数十人もの軍人の相手をさせられた」と涙ぐみながら当時の生活を語った。
 今年八月、金さんは朝鮮・韓国人の従軍慰安婦としては初めて自ら名乗り出た。儒教思想の強い韓国では「外を出歩くのさえ恥ずかしい」思いをしたという。
 金さんはきょう七日午後二時からリバティおおさかで行われる第二回文化フォーラム「朝鮮人従軍慰安婦と日本の戦後責任」で自らの体験を証言する。

http://odd-hatch.hatenablog.com/entry/2018/07/24/152644

朝日新聞植村氏による1991年8月11日の記事はこちら、金学順氏が名乗り出た翌8月15日の記事はこちら、提訴後の1991年12月25日の朝日記事はこちら
朝日記事に比べれば、産経新聞の方が「金さんは十七歳の時、日本軍に強制的に連行され」と明確に“日本軍が強制連行した”と言い切っていますね。後に「戦後の造語」だと言って非難することになる「従軍慰安婦」という用語も躊躇なく使っています。

慰安婦問題の全体的な構図を考慮すれば、「金さんは十七歳の時、日本軍に強制的に連行され、中国の前線で、軍人の相手をする慰安婦として働かされた」という産経記事(1991/12/7)の表現が間違ってるとは思いません。
しかし、産経新聞が社を挙げて安倍政権と癒着し非自民野党や朝日新聞を執拗に攻撃する材料である慰安婦問題について、産経自身がこのように書き、なかでも朝日を目の敵にして朝日に対する脅迫をそそのかした阿比留記者自身が、自社がこう書いていたことを植村氏から2015年7月30日に指摘されるまで気付きもしなかったというのは、さすがひどい話だと思いますね。

阿比留「間違いですね」

植村「間違いですか? ふ~ん。これがもし間違いだったら、『朝日新聞との歴史戦は、今後も続くのだと感じた』って阿比留さんは書かれているんだけど、産経新聞の先輩記者と歴史戦をまずやるべきじゃないですか。原川さんどうですか」

原川「私、初めて見ましたので、どういう経緯でこうなったか、どこまで調べられるか。これはちょっと日付をメモさせてもらって」

https://www.sankei.com/premium/news/150830/prm1508300009-n6.html

産経新聞がいかにクソな会社かをよく物語るエピソードです。