防衛省のサイトで「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」と書かれていたが、7月1日の閣議決定を機に消された以上

さて、政府サイトで以下のQandAがあります。

【問10】 徴兵制が採用され、若者が戦地へと送られるのではないか?
【答】 全くの誤解です。例えば、憲法第18条で「何人も(中略)その意に反する苦役に服させられない」と定められているなど、徴兵制は憲法上認められません。

http://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/anzenhoshouhousei.html

徴兵制は憲法上認められないと明言していますが、2014年6月まで防衛省のサイトには以下のように書かれていました。

国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利を有しているとされています。わが国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上当然です。しかしながら、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであり、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とする集団的自衛権の行使は、これを超えるものであって、憲法上許されないと考えています」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/152335

それから憲法改正はされたわけでもないのに、いまや集団的自衛権の行使は憲法上許されることになって、防衛省サイトから以上の文言は削除されています。
現在は、「憲法第18条で「何人も(中略)その意に反する苦役に服させられない」と定められているなど、徴兵制は憲法上認められません。」と明言されていても、また閣議決定を契機に憲法改正されなくとも徴兵制が憲法上認められるようになるかも知れません。
少なくとも、政府サイトに「違憲」と書かれていても、閣議決定だけで消えてしまう実例は2014年7月に作られたことになります。

要するに政府サイトに「違憲」と書かれていても何の根拠にもならないわけで、信用するべきではなく疑ってかかるべきということになります。


ちなみに与党幹事長である石破氏は以下のように憲法第18条が徴兵制を禁止しているという解釈に異を唱えています。

第18条も、兵役を「奴隷的拘束」と同一視するのはいかがなものか。さらに、志願制ではなく徴兵制である点を「意に反する」ことにウエイトを置いて否定的に解釈していますが、兵役に「犯罪に因る処罰」と同じ評価がなされていることは極めて問題です。

http://ishiba-shigeru.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-5a39.html

次に石破氏が首相になったら、憲法第18条の解釈が閣議決定で変更され、憲法第18条は徴兵制を容認しているとされるかも知れませんね。安倍政権がやったんだから、やらない保証はどこにもありません。