本土の人間は自らの利益の為に沖縄県民を踏みにじっているし、今後も同情しながら踏みにじり続けると正直に認めるべきだと思う。

珍しく田原総一朗氏に同意したくなる件。

田原総一朗辺野古移設反対派勝利でも対米交渉に勝算はあるのか」〈週刊朝日

dot. 11月28日(金)7時8分配信
 11月16日に投開票が行われた沖縄知事選。争点となった米軍普天間飛行場の移設問題はどうなるのか。ジャーナリストの田原総一朗氏は悲観的に予測をする。
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 沖縄県知事選が11月16日に投開票され、前那覇市長の翁長雄志氏が現職の仲井真弘多氏を破り当選した。
(略)
 毎日新聞の社説の見出しも「白紙に戻して再交渉を」である。「ここまで問題がこじれた以上、現行の移設計画に固執するのは現実的ではない」と記しながら、「ただし、辺野古の白紙化を普天間の固定化につなげてはならない」という。「普天間返還合意から18年。日本と合意を重ねてきた米国との再交渉に持ち込むのは容易ではなかろう。それでも沖縄の民意がもたらす深刻な影響を日米両政府が共有すれば、おのずと協議は新たな段階に移っていくはずだ」と主張する。
 朝日新聞も「政府は米国との協議を急ぎ、代替策を探るべきだ」と指摘している。
 確かに、政府が今回の選挙結果を無視して移設を強行すれば、本土と沖縄の溝はますます深まり、その亀裂は決定的になりかねない。
 だが、米国との再交渉というのは、普天間基地を沖縄以外の場所、はっきり言えば、グアムなど米国領に移設することである。そして2009年に民主党の鳩山政権は、その交渉から始まって、「最低でも県外」ということになり、迷走の末に、辺野古移設に逆戻りしたのであった。普天間基地を米国領に移設するという米国との交渉は、成功しなかったわけだ。
 朝日新聞毎日新聞の主張には私も同意したいのだが、民主党政権で成功しなかったことが、果たして自民党政権で成功するという可能性があるのだろうか。再交渉ということで、結果として普天間の固定化になりはしないだろうか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141128-00000002-sasahi-pol

まあ、はっきり言って米軍に国外に出てってもらえば、それで解決するんですけどね。
でも、日本国の民意は、米軍に駐留していてほしいわけでしょ?それも自分の居住地付近はお断りだけど、遠くの田舎になら米軍だろうが原発だろうが構いやしない、というのが本音ですよね。米軍基地については、そういう国民多数派の意識の結果として沖縄に集中しているわけです。

同情はいくらでもするけど自宅付近への基地移転などお断りだし、米軍が国外に移転するのも何となく不安。自分たちの心の平穏のために沖縄県民には“可哀想だけど”犠牲になってもらおう、とまあそういう考え方です。

鳩山政権が成立して「最低でも県外」と言ったとき、本土の人間は自分たちが負担する可能性にたじろいだと言えるかもしれません。むしろ札束で沖縄県民の頬を叩きながら基地を押し付ける自民党政権であった方が、本土の人間にとっては望ましかったのでしょう。なぜなら本土の人間は自民党政府のやり方に眉をひそめつつ、心置きなく沖縄県民に同情し、自らは善人であるとの幻想に浸ることができたのですから。
悪いのは政府であって自分ではない、その証拠に私は自民党政府のやり方に批判的だ、とね。

鳩山政権が米軍基地の負担を本土でも肩代わりする可能性を示したとき、本土の人間は自分たちが“善人”のままで負担を回避するロジックを必死で求め、最終的にしがみついたのが、“米軍は沖縄にいなければ抑止力にならない”というニワカ軍事論です。
このニワカ軍事論を流布して回ったのは右翼的な論者や軍事オタクですが、“善人”のままでありたいと望む本土の人間には歓迎されたようで、結局鳩山政権の手足を縛って倒閣に追い込むことに成功しました。

本土の人間の沖縄に対する同情なんてその程度のものです。

田原氏はこうまとめています。

 朝日新聞毎日新聞の主張には私も同意したいのだが、民主党政権で成功しなかったことが、果たして自民党政権で成功するという可能性があるのだろうか。再交渉ということで、結果として普天間の固定化になりはしないだろうか。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141128-00000002-sasahi-pol

さすがに本土の人間の浅ましさや“善人”面をはっきりと指摘するだけの度胸はないようですね。