安倍政権は直ちにユネスコへの分担金を停止すべきだと思う

理由は2つあります。
安倍政権がユネスコへの分担金を停止すれば、再来年の「従軍慰安婦」の世界記憶遺産登録に際しユネスコは心置きなく登録できるようになるという期待がひとつ。

慰安婦「共同申請を奨励」=ユネスコから意見と中国−記憶遺産

 【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は12日の記者会見で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に中国が申請し登録が見送られた旧日本軍の「従軍慰安婦」に関する資料について、ユネスコ側から「関係国との共同申請を勧める意見があった」と述べた。
 従軍慰安婦に関する記録については、韓国も記憶遺産に申請する計画を進めており、2017年の登録を目指している。
 華副局長は「ユネスコの意見を真剣に考慮し検討する」と述べ、再度の申請を目指す方針を示した。
 華副局長によると、意見は「中国以外にも慰安婦問題の被害国がある。このため、ユネスコの国際諮問委員会は規定に基づき、関係国の共同申請を奨励し、17年の次回会議で審査する」との内容だという。ユネスコのどのレベルから伝えられたのかなど具体的状況は明らかでない。
 ユネスコの報道担当者は「そうした事実は把握していない」と話している。
 ユネスコは4日からアラブ首長国連邦で国際諮問委員会を開催。中国が申請した旧日本軍の「南京事件」に関する資料は記憶遺産への登録が認められた。日本政府は「中立・公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾」と表明、中国側にも抗議している。 (2015/10/12-18:57)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201510/2015101200248

もうひとつは安倍政権がユネスコへの分担金を停止すれば、安倍政権の歴史修正主義的態度が国際的に明確になり象徴的な意味合いを持つという期待です。なぜそれが“期待”かというと、安倍政権崩壊後の政権が分担金を再開することで、日本が歴史修正主義と決別したという象徴的効果が期待できるからです。
歴史認識問題で歴史修正主義にどっぷり漬かった安倍政権に期待できることなど何もありません。
歴史修正主義に侵された日本が良心を取り戻し歴史修正主義と決別したということが国際的に明確にわかる象徴として利用するために、安倍政権にはユネスコ分担金を停止してほしいという意味で期待するわけです。

何よりも、気に入らない判断を下した相手に対して金を停めると脅すなんて、非常に安倍政権らしいじゃないですか。「自由」と「民主」を名に冠する政党が金で相手を黙らせようとするなんて、皮肉が利いてて笑えますよ。あと50年もすれば、素直に“歴史の皮肉”と笑えるでしょう。同時代に生きる我々としては諦観がついてまわりますけどね。

もっとも、野党第一党もこんなことを言っているような体たらく。

世界記憶遺産 民主・細野政調会長ユネスコの分担金削減あっていい」

産経新聞 10月13日(火)12時47分配信
 民主党細野豪志政調会長は13日の記者会見で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に、中国が申請した「南京大虐殺文書」が登録された件を受け、「記念遺産になるまでのプロセスに不明確な部分がある。(日本がユネスコに拠出している)分担金の削減を検討することはあってもいい」との見解を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151013-00000525-san-pol

民主党の細野政調会長は、安倍政権による戦争法強行採決は許せても、ユネスコによる南京事件の世界記憶遺産登録は許せないようです。
自民党に鞍替えすればいいのに。