別にユネスコ脱退すれば国際社会が日本に圧力をかけてくれることに期待するとかそんなことは一言も言ってないんですけどね(前記事)。
安倍日本がユネスコ分担金停止あるいは脱退したとしても、国際社会が日本を諌めてくれたりなんかしませんよ。当たり前じゃないですか。日本が南京事件の記憶遺産登録を不服として分担金停止や脱退しても、せいぜい眉をひそめられるだけで、実効的な圧力なんかかかってきませんよ。仮に安倍政権が国会前デモに対して自衛隊を投入してデモ隊数十人を射殺したところで、国際社会は日本に対する経済制裁すらまともに行わないでしょうね。そんなもんです。
安倍の支配が終焉し、安倍的価値観を否定する政権ができた時、安倍政治との決別を象徴する行為として分担金停止撤回・再加入が利用できると言ってるだけです。それが5年先になるか10年先になるか、あるいは100年後か、それは日本国民が決めることです。
ああ、ちなみに1985年にユネスコ分担金停止・脱退が検討された際にこんなやり取りがありました。
[013/017] 102 - 衆 - 外務委員会 - 3号
昭和60年3月26日
○安倍国務大臣 アメリカもイギリスも我慢できなくなって出ていくわけでありますが、日本は残って改革を行って、ぜひともかつてのILOのようにまたアメリカが復活することを念願をしております。しかし、改革はなかなか容易なものではありません。特に今のユネスコの状況を見ると、やはり相当人事の面でも偏っておりますし、あるいは日本は十分の一、一〇%以上の予算を担当しておるわけですが、予算の使い方等にもいろいろと問題があるように思います。あるいはまた、議論の内容が相当政治的に偏向している。例えば、自由主義国家群といわゆる第三世界との対立を際立ててユネスコ内に持ち込むというふうな面も随分具体的にあるようであります。
ユネスコは、本来科学とか文化とか教育とか中立的な問題を取り上げてやってきておるわけです。それなりに大きな成果を上げてきておるわけですから、むしろそういう原点に返ってユネスコが活動していかなければならぬ。そういうことで、今日本も改革案を出しております。そして、今度はムボウ事務局長も来ますから、私も会ってその点を十分説明をして改革の意思を確かめたい、こういうふうに思っております。現在ではとにかく改革をさせなければならぬ。日本は志を同じくする国々とともに、ユネスコ内の改革に立ち上がっておるわけであります。今のユネスコがどういうふうに動くか、これを見詰めながら努力は続けていきたい。しかし、香川大使もユネスコの総会で、日本が出しておる、あるいはまた国際的な一つの世論にもなっておる改革というものが行われないということになれば、日本も再検討をせざるを得ませんということを言っておるわけですが、まずその前に、とにかく改革を行っていくということに最重点を置いて努力をしたい、こういうことです。