「安倍内閣総理大臣は...心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する」と合意したのに、朴大統領に電話したらそれで謝罪したことになるわけか。

まあ、大体予想はしてましたけどね。

 予算委員会では、日韓合意にある「心からのおわびと反省」を安倍首相が国会で発言すべきだと民主党緒方林太郎議員が要求。首相は「韓国の朴(パク)槿恵(クネ)大統領に誠意を持って、そのような発言をし、世界に対してすでに示された。今後もこういう場で何回も取り上げるのであればこの問題は終わらない」と強調した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160112-00000568-san-pol

電話で朴大統領に「そのような発言」を伝えることが、安倍政権にとっての「誠意」だということでしょうけど、合意内容はこうなっています。

安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_001664.html

電話先は朴大統領であって「慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々」ではありませんから、合意内容は履行されたとは言えませんね。
「世界に対してすでに示された」というのも、外相やマスコミを通じてであって「安倍内閣総理大臣は...表明する」という合意が履行されたわけでもありません。

ところが、日韓首脳電話会談で謝罪が完了したつもりになっています。

(1)安倍総理から,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明した。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_001668.html

まあ、日本政府の「誠意」などこの程度であることは知ってはいますが、それでも残念ですね。首相が元慰安婦に対して心からおわびと反省の気持ちを表明“した”と言うのなら、なぜ電話で朴大統領だけにこっそりと伝える必要があるのか。
要するに謝罪したこと自体恥だと思っているので、出来る限り隠してしまいたいという本音があるんでしょうね。さらに言えば、慰安婦問題そのものを無かったことにしたいのでしょう。実際、河野談話に対しても似たような対応を取ってきたわけで、その結果として“日本は謝罪していない”と指摘されると、“日本は謝罪している”“謝罪しているのに無視されている”と逆ギレして喚きだす、と。

もっと堂々と謝罪すればいいのに。