戦争犯罪と向き合う社会に関するちょっとした事例

「不屈の男 アンブロークン」公式サイト
アンジー作品、日本で封切り 「反日」指摘も映画人動く:朝日新聞デジタル
当然のことでありながら、右傾化している日本社会では無言の圧力がかかる映画なので、上映できたのはとりあえず良かったと思います。
日本軍が捕虜虐待していたのは歴史的事実なので、その描写でいちいち自粛を強いるような社会は異常なんですけど、異常の中で生活すると異常であることに気づけません。困ったものです。
ベトナム戦争の映画で米軍がどのように描写されているかを多少で知っていれば、日本社会の戦争犯罪に対する過敏体質は度が過ぎていることに気づきそうなものではあるんですが*1
さて、上記の件に関しネトウヨが、アメリカは空襲被害について無視している、的ないつも通りの自慰行為にふけっているわけですよ。

火垂るの墓」って、アメリカでも上映されて、賞も獲ってたと思うんですけどね。
シカゴ国際児童映画祭(1994)(pdf)

それとは別の割と最近のドキュメンタリーとしてはHBOによる「ヒロシマナガサキ 〜白い光黒い雨 あの夏の記憶〜」(White Light/Black Rain: The Destruction of Hiroshima and Nagasaki 2007)があります。

ヒロシマナガサキ 〜白い光黒い雨 あの夏の記憶〜

バンフテレビ祭グランプリ・NHK賞 受賞
初回放送

BShi 2008年7月31日(木) 午後8時〜(1時間33分)
再放送

BShi 2009年8月14日(金) 午後0時55分〜
アカデミー受賞経験のある日系アメリカ人のドキュメンタリー映像作家、スティーブン・オカザキ氏が、広島・長崎の被爆者と向き合った。今まで、アメリカの放送局が制作した“原爆もの”は、ほとんどが「アメリカは正しかった」という考えにもとづいて作られてきた。しかし、オカザキ氏は、新たに徹底的に被爆者へインタビューを行い、先入観に捉われず、被爆の実態を丹念に取材している。日米の考え方の違いを超えた作品「ヒロシマナガサキ」は、広島・長崎の平和への願いを世界へと訴えるものである。なお、この番組は、カナダで開かれたバンフテレビ祭(2008)でグランプリとNHK賞を受賞した。
番組データ
原題:White Light, Black Rain: The Destruction of Hiroshima and Nagasaki
制作年:2007年
制作会社:Farallon Films(アメリカ)

http://www.nhk.or.jp/co-pro/recent/20080731.html

動画(字幕無し):「White Light/Black Rain: The Destruction of Hiroshima and Nagasaki 2007 - 85 min. Director: Steven Okazaki
これ、どう見ても原爆を肯定的には報じていません。というかどう見ても否定的に作ってます。映像が結構キツイので、原爆を正当化するような印象を抱きようがないでしょう。

*1:一方で、米軍の直近の戦争に関する映画では、描き方が微妙に感じるものもあるんですけどね。