23年前、河野洋平氏が宮沢内閣官房長官として、従軍慰安婦という20世紀最大規模の性的人身売買と売春強要に日本軍が関与していたことを認め謝罪しました。従軍慰安婦制度は女性の人権に対する重大な侵害であり、この戦時性暴力の被害者は8万人とも20万人とも言われ、未だ全容が明らかになっていません。この戦時性暴力の被害実態の調査と公表は、日本政府と日本社会に課された道義的義務であると考えます。
日本政府と日本社会は、このような自国の醜い歴史の真実から逃れることなく、これを歴史の教訓として直視する必要があります。日本社会自身がこのような悲劇を繰り返さず、日本政府にこのような悲劇に関与することを認めず、この悲劇の被害者を永く記憶にとどめ、被害者に絶望させることなく、被害者に寄り添うことが必要です。
被害者が受けた恐ろしくおぞましい体験は決して消えることがありません。それ故に私たちはその被害を決して忘れてはならないと考えます。
今年の8月14日は、戦時性暴力被害者が勇気をもって名乗り出てから25年となります*1。
私たちの社会が、25年もの歳月をかけて尚、被害者たちに不十分な癒ししか与えられなかったことを社会の一員として謝罪します。