エスポワール小池が若狭を出し子にした第三極詐欺を始めた時点で、改憲勢力が衆院3分の2を確保することは確定だったので特に驚きはない

自身のボーダーラインを異常に低く設定するのは安倍氏の習性みたいなものですから、そこをクリアするかどうかは興味の範囲外です*1

希望の党は、みんなの党や維新の会の賞味期限が切れたのでカバーを付け替えただけの、非自民票を分散させるための自民党サポートの道具みたいなものです。
なので、細野議員らが蠢動している時点で野党共闘が崩され、非自民票が分散することは予想の範囲内です。
いい加減“第三極”詐欺に騙されるのはやめるべきでは? 」でも「次は“国民ファースト”という小池・維新+民進党分裂組の第三極ですかね。」と書いたとおりです。

ただ予想外だったのは、エスポワール小池氏が首相になることに色気を出して希望の党の代表になり、前原民進党を呑みこんだことです。それを構想した時点では、希望の党の支持率が最早第三極とは言えないレベルにまで盛り上がり、首相になれる芽が見えていたのでしょうね。エスポワール小池氏は、野党再編と称して安倍を追い落とす算段を立てていたと思います。
ただエスポワール小池氏にとって予想外だったのは、安倍自民支持層とリベラル層の双方からの反発の大きさだったと思います。それにより急速に希望の党の支持率がしぼみ、野党党首になる気のないエスポワール小池氏は早々に撤退、偽装野党の黒幕になることを選び、再び地下に潜ったわけですから。

ただ、このエスポワール小池の反乱は、民進党分断という大きな爪痕を残し、野党第一党が事実上消滅しました。民進党は結果的には希望の党立憲民主党、そして無所属という状態に分かれた訳で、単純に政党支持率から予測すれば野党第一党になるのは、希望の党です。そして希望の党は、それを率いるエスポワール小池氏の思想傾向から、安倍改憲に反対するわけがありません。
そうすると、自民党公明党希望の党衆院3分の2以上の議席数は確定的で覆しようがありません。

「与党300議席に迫る勢い」

与党300議席に迫る勢い 衆院選序盤情勢 自民、単独安定多数も 希望は選挙区で苦戦 (2017/10/11 23:00日本経済新聞 電子版)
自民堅調、希望伸びず立憲に勢い 朝日新聞情勢調査概況(2017年10月11日22時28分)

自民・公明で3分の2である310議席を超えるかどうかは微妙ですが希望の党を加えれば余裕です。自民単独で3分の2を超えた場合は、安倍政権にとって希望の党の協力は不要ですが、さすがにそこまで取れる見込みは少ないでしょう。公明党創価学会の手前、改憲に慎重な振りはしていますが、自民+希望で3分の2を確保できる状況であれば、安倍政権が公明党に遠慮する必要もありませんし、公明党も与党利権に塗れている以上、いざとなれば安倍に擦り寄るのは目に見えています。

立憲民主党共産党がいかに善戦したところで合わせて155議席以上取れる見込みはありませんので、改憲勢力による衆院3分の2阻止はとりあえず諦めるしかありません。ただ、改憲阻止の上で、重要な狙いどころはまだ2つあります。

狙いどころの1つ目・希望の党の遠心力に期待

希望の党衆院野党第一党にはなるでしょうが、代表が野党党首を嫌って逃げてしまっているので求心力に欠けます。衆院後の国会で代表質問に立つのが誰なのかわかりませんが、誰であってもエスポワール小池氏のパペットに過ぎませんので、まともな政権批判は期待できません。大連立が成立せず希望の党が野党のままであるなら早晩離脱する議員が出てくるでしょうから、それをリベラル側が取り込んで改憲勢力を削るというのが一つ。また、大連立となった場合でも、それを良しとしない議員が離脱する見込みがあります。
いずれにしても、小池独裁体制の希望の党がまともに結束し続ける可能性はかなり低いと思います。

狙いどころの2つ目・参院民進党の存在

実は改憲阻止については、これが結構大きい影響力を持ちます。

参院自民党125議席公明党24議席、維新の会11議席で三党合計で160議席*2、議長や無所属を含めて3分の2以上になるわけですが、ここにも創価学会の手前、改憲に慎重な振りをしなければならない公明党がいます。
一方、参院民進党は49議席を持っています。これが希望の党にそっくり丸呑みされてしまうと、安倍政権は衆院と同じく公明党に配慮する必要が無くなります。参院民進党は安倍改憲に反対する立場で組織を維持し続けることは、改憲阻止の上で重要な位置を占めるわけです。

その意味で小川敏夫参院議員の「<民進>参院で存続へ 小川会長「リベラル勢力を再結集」」という動きは極めて重要です。

公明党に“安倍改憲を阻止できる立場にありながら阻止しなかった”という悪名を甘受する度胸があるかどうか

すでに衆院参院ともに改憲勢力が3分の2を握っていますので、より悪質で過激な改憲派がこれ以上増えないようにするのが現状の目標になります。
公明党改憲勢力のうちでは穏健な方と言えるでしょうが、政権にしがみつくためなら憲法くらい簡単に売り払ってしまうのは、集団的自衛権行使容認の閣議決定(2014年)や戦争法強行採決(2015年)の時に証明済みですので大した期待はできません。
とは言え、公明党キャスティングボートを握っている場合に汚名を受ける覚悟があるかというと、それも無いでしょう。

ですので“公明党が反対すれば安倍改憲を阻止できる”と言う状況に留めておくことには意味があります。“公明党が反対しても安倍改憲を阻止できない”状況では公明党は簡単に改憲に賛同するでしょうから。


*1:自ら煽った国際関係の悪化を利用し、さらに野党が混乱している隙を狙った衆院解散で過半数割れするわけないしね。

*2:http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/194/giinsu.htm 2017/10/12閲覧