「尖閣列島は安保第5条の適用範囲」なんて何年も前から繰り返し言質を取ってきたことであって今さら何の手柄にもならないんだけど、安倍賛美報道につなげてる連中は何なんだろうね。

麻生政権時代の2009年。

平成二十一年三月六日提出
質問第一九四号
尖閣諸島への日米安全保障条約適用に係る米国政府の見解について述べた内閣官房長官の発言等に関する質問主意書
 本年三月五日夕方、河村建夫内閣官房長官は、「米国の見解は従来のものであり変更していないと確認を得た」と述べ、米国政府の公式見解として、尖閣諸島が他国の攻撃を受けた場合、日米安全保障条約第五条が適用されることを確認したと、首相官邸で記者団に対して答えている。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a171194.htm

民主政権時代の2010年。

外務大臣会見記録(平成22年10月1日(金曜日)16時02分〜 於:本省会見室)(動画版他のサイトヘ)

【大臣】私(大臣)とクリントン国務長官との話をする前に、米国の政府高官から尖閣に関わる日米安保第5条の適用範囲について、明確にコミットメントする発言をしているということですので、是非それについて確認をさせていただきたいと思いまして、私(大臣)の方から会談で取り上げさせていただきました。まず私(大臣)から取り上げたのは、「米政府高官がこの尖閣問題に関して日米安保条約第5条の適用範囲であるということを仰っていることに敬意を表する」ということを私(大臣)が申し上げたところ、クリントン国務長官から、「領有権について我々はコメントはしない。しかし、尖閣は日本の施政下であり、日本の施政下に対して安保条約第5条が適用される」と。すなわち、尖閣列島は安保第5条の適用範囲であるということをクリントン長官が述べられたということでございます。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/kaiken/gaisho/g_1010.html

第二次安倍政権時代になっても、定型文のように「日本の施政下にある領域は日米安保条約第5条の適用対象であり、尖閣諸島もそれに含まれる旨」が繰り返されています。

日米首脳会談(概要) 平成26年4月24日

4月24日10時30分より約1時間45分、安倍総理国賓として訪日中のオバマ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。
(イ)安倍総理より、他方で中国は力による現状変更の試みを継続している、尖閣諸島に関して我が国は引き続き冷静かつ毅然として対処している、南シナ海も含む中国のこうした試みに対しては、明確に反対を表明し、強固な日米同盟と米国のアジアへの強いコミットメントを示すことが重要である旨述べた。オバマ大統領からは、日本の施政下にある領域は日米安保条約第5条の適用対象であり、尖閣諸島もそれに含まれる旨述べた。また、米国は尖閣諸島に対する施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対するとの考えを確認した。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page3_000755.html

日米首脳会談 平成27年4月28日

4月28日9時50分から約2時間,ワシントンDC出張中の安倍総理は,オバマ大統領との間で日米首脳会談を行ったところ,概要以下のとおり。
(イ)両首脳は,日米が中核となり,法の支配に基づく自由で開かれたアジア太平洋地域を維持・発展させ,そこに中国を取り込むよう連携していくことで一致した。また,中国のいかなる一方的な現状変更の試みにも反対することを確認した。オバマ大統領からは,日米安保条約第5条が尖閣諸島を含む日本の施政下にある全ての領域に適用される旨改めて発言があった。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_001148.html

安倍総理大臣のハワイ訪問 平成28年12月28日

12月26日から27日まで,安倍晋三内閣総理大臣アメリカ合衆国ハワイ州オアフ島を訪問したところ,概要は以下のとおりです。
(イ)東アジア情勢
安倍総理から,日中関係改善に向けたオバマ大統領の理解と支持に感謝する旨述べつつ,尖閣諸島について,日米安保条約第5条の対象になること,日本の施政を損なおうとするいかなる一方的行動にも反対するとのメッセージは力強いものである旨述べました。また,先週末,中国空母が初めて「第一列島線」を通過し西太平洋へ進出したことについて,両首脳は,中長期的観点からも注視すべき動向であるとの認識で一致しました。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page3_001940.html

この内容から何の変更もない以上、本来ならニュースバリューもない話ですが、安倍翼賛報道は留まるところを知りませんね。
ちなみに指導者が何をやっても“大成功”じみた報道をしている国として、(北朝鮮もそうでしょうが)中華人民共和国もそんな感じなんですよね。毎日チェックしているわけでもありませんが、中国のニュースではだいたい最初に習近平の動向が好意的に報じられてるんですけど、日本のニュースでの安倍の取扱いもほぼそれと同じ感じになってきています。NHK日曜討論とかゴマすり大会かな、と思うくらいで。

安倍・トランプ会談

日米首脳会談 平成29年2月10日

 2月10日、ワシントンDC出張中の安倍晋三内閣総理大臣は、ドナルド・トランプ米国大統領との間で、午前12時10分頃から約40分間、日米首脳会談を行い、その後の共同記者会見に引き続き、午後1時40分過ぎから約1時間、ワーキングランチを行ったところ、概要以下のとおり。また、両首脳は共同声明(和文(PDF)別ウィンドウで開く / 英文 (PDF)Open a New Window)を発出した。
 政治・安全保障分野に関しては、両首脳は、アジア太平洋地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、同地域における平和、繁栄及び自由の礎である日米同盟の取組を一層強化する強い決意を確認した。特に今回、(1)拡大抑止へのコミットメントへの具体的な言及や、(2)日米安全保障条約第5条の尖閣諸島への適用、そして(3)普天間飛行場辺野古移設が唯一の解決策であることを文書で確認した。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page1_000297.html

両首脳は、日米安全保障条約第5条が(沖縄県の)尖閣諸島に適用されることを確認した。両首脳は、同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する。日米両国は、東シナ海の平和と安定を確保するための協力を深める。両首脳は、航行及び上空飛行並びにその他の適法な海洋の利用の自由を含む国際法に基づく海洋秩序を維持することの重要性を強調した。日米両国は、威嚇、強制または力によって海洋に関する権利を主張しようとするいかなる試みにも反対する。日米両国はまた、関係国に対し、拠点の軍事化を含め、南シナ海における緊張を高め得る行動を避け、国際法に従って行動することを求める。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000227766.pdf

この通り、これまでの米国政府の態度から何も変わってません。ちなみに日本語版の声明文には「(沖縄県の)尖閣諸島」と括弧書きで尖閣諸島魚釣島)が沖縄県に所属することを主張する文言を入れていますが、英語版にはありません。

The two leaders affirmed that Article V of the U.S.-Japan Treaty of Mutual Cooperation and Security covers the Senkaku Islands.

http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000227768.pdf

熱狂的な安倍支持者の声

共同声明全文(https://goo.gl/hTKGpP)を読むべき。尖閣への日米安保適用を初めて外交文書として明言し日本には満額対応となった。日本にとり「日本の安全保障」と「米国の入国制限」とどちらが重要か。国民の多数意見は明白
the_sun_also_risesのコメント 2017/02/12 17:55

http://b.hatena.ne.jp/entry/321638950/comment/the_sun_also_rises

いつもどおりの文言を 「日本の安全保障」でござい、とありがたく押し戴き、代わりに「米国の入国制限」という人権問題には目をつぶる。これで、どの面下げて中国の人権問題を批判できるのか不思議です。