フィンランドでの米朝の非公式会合が日本大使館で行われるという情報は何だったんだろう?

3月18日から19日にかけて、こんなニュースが流れました。

ヘルシンキ日本大使館か、米朝が非公式接触へ

2018年03月19日
 【ソウル=岡部雄二郎】韓国の聯合ニュースは18日、北朝鮮外務省で米国を担当するチェ・ガンイル北米局副局長が同日、米国の元政府高官との非公式接触のためフィンランドに向かったと報じた。
 北京の空港での取材にチェ氏は「今は話すことはない」と語った。
 同ニュースは複数のフィンランドメディアを引用する形で、相手が米国のスティーブンス元駐韓大使で、ヘルシンキ日本大使館で接触するとしている。
2018年03月19日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

http://www.yomiuri.co.jp/feature/TO000301/20180319-OYT1T50011.html

北朝鮮外相、スウェーデン外相と会談 副局長はフィンランド

朝鮮半島
2018/3/18 17:00
 【ソウル=鈴木壮太郎】北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は15日から17日までスウェーデンを訪問し、バルストロム外相と会談した。朝鮮中央通信の18日の報道を朝鮮通信(東京)が伝えた。「両国関係と相互の関心事について討議した」と伝えたが、具体的な内容には触れていない。李氏はロベーン首相を表敬訪問した。
 韓国の聯合ニュースは18日、北朝鮮外務省で米国を担当するチェ・ガンイル副局長が18日、北京からフィンランドに向かったと報じた。スティーブンス元駐韓米国大使と会談するとの現地メディアの報道を紹介。場所はヘルシンキにある日本大使館との見方を伝えている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28287000Y8A310C1FF8000/

韓国の聯合ニュースフィンランドメディアを引用する形で報じたとのことですが、さすがにフィンランドメディアは調べてません。
聯合ニュースのサイトには3月19日付の「北朝鮮高官と韓米の元当局者ら フィンランドで20日会合(2018/03/19 09:29)」という記事はありましたが、18日付のニュースはもう削除されたのか見つけられませんでした。

上記読売・日経報道では、18日時点の聯合ニュース報道を基に、北朝鮮のチェ・ガンイル北米局副局長と米国のスティーブンス元駐韓大使の会談予定を報じていますが、19日付の聯合ニュースは、「韓国と米国の元当局者や研究者、北朝鮮の当局者が出席する会合」となっていて、韓国側のメンバーも参加する旨を報じています。

 会合には北朝鮮からチェ・ガンイル外務省北米局副局長が出席する。米国からはスティーブンス元駐韓大使や北朝鮮専門家のカーリン氏らが参加する。カーリン氏が北朝鮮側と接触し、実務作業を行ってきたという。
 韓国からは申ガク秀(シン・ガクス)元駐日韓国大使や辛正承(シン・ジョンスン)元駐中韓国大使、白鍾天(ペク・ジョンチョン)世宗研究所理事長、チョ東昊(チョ・ドンホ)国家安保戦略研究院長らが出席する。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2018/03/19/0300000000AJP20180319000400882.HTML

この19日付報道の中には、以下のように場所に関する情報が記載されています。

 フィンランド政府は会合の趣旨などの説明を受け、場所の提供などの支援を行っている。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/northkorea/2018/03/19/0300000000AJP20180319000400882.HTML

場所が日本大使館であれば、フィンランド政府が支援したというのはおかしな感じです。

実際、会談終了後のNHKが報じた内容では、「首都ヘルシンキ近郊にあるフィンランド政府の施設」で行われたとなっています。

「建設的に意見交わされた」北の幹部参加の会合

(2018年3月22日)

フィンランドで行われていた北朝鮮外務省の幹部とアメリカや韓国の元政府当局者による安全保障に関する会合は、21日に終わり、会場を提供したフィンランドの政府は建設的に意見が交わされたとして今後の朝鮮半島情勢の改善につながることへの期待感を示しました。

この会合は、北朝鮮外務省でアメリカを担当する北米局のチェ・ガンイル副局長やアメリカや韓国の元政府当局者らが出席して、首都ヘルシンキ近郊にあるフィンランド政府の施設で21日までの2日間、行われました。
フィンランド外務省は、会合について信頼を醸成し、朝鮮半島の緊張緩和に向けて、前向きな雰囲気のなかで建設的な意見交換が行われたと発表しましたが、具体的な内容については明らかにしませんでした。また、フィンランドのソイニ外相は「朝鮮半島情勢の改善につながることを期待したい」と述べて、会合を評価する考えを示しました。
一方、チェ副局長らは報道陣の問いには一切答えず帰国の途に就きました。
各国の関係者からは具体的な発言は無かったものの、会合に参加した韓国の大学教授は「朝鮮半島の緊張が緩和し、首脳会談がうまくいくことを望むことで、みなが考えを共にした」と述べていて、南北首脳会談のほか、初めてとなる米朝首脳会談も含めた幅広いテーマについて議論が行われたものと見られています。
国連の法律・条約専門家も参加
国連のデュジャリック報道官は21日の定例記者会見で、この日までフィンランドで行われていた北朝鮮外務省とアメリカや韓国の元政府当局者による会合に国連の法律や条約部門の専門家を派遣していたことを明らかにし、北朝鮮と関係国との対話を支援していく考えを示しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/special/northkorea_provocation/?utm_int=detail_contents_special_003

ヘルシンキ日本大使館で接触する」という情報はいったいどうして出てきたのか、単なる間違いなのか、「フィンランド政府の施設」で行われた会合以外に、日本大使館で行われた非公開の会談があったのか、まあ、後者は無いかな。