漁業は経済活動だということ

中国漁船による日本EEZでの逮捕事案がここのところよく報道されています。

中国漁船船長を逮捕 日本のEEZ内逃走

2019.1.29 01:15|社会|事件・疑惑
 日本の排他的経済水域EEZ)内で停船命令に従わず逃走したとして、宮古島海上保安部は28日、EEZ漁業法違反(立入検査忌避)の現行犯で、中国船籍の漁船「浙臨漁(せつりんりょう)12786」の船長、劉美●(=くさかんむりに写の与が木)(リュウ・メイロン)容疑者(38)を逮捕した。
 海保によると、27日午後2時半ごろ、沖縄本島南側の日本のEEZを航行する同船を海保の航空機が発見。同保安部の巡視船が同11時40分ごろ停船命令を出したが逃走した。
 漁船は、約14時間後の翌28日昼、宮古島沖縄県宮古島市)の北約152キロの海上で停船したため、劉容疑者を逮捕した。
 同船はサンゴ漁の漁船とみられ、計8人の乗組員が乗船していた。海上保安官や漁船の乗組員にけがはなかった。

https://www.sankei.com/affairs/news/190129/afr1901290003-n1.html

停船命令無視した疑い、中国漁船長を逮捕 サンゴ密漁か

2019年2月2日20時22分
 小笠原諸島の母島(東京都小笠原村)沖で停船命令に従わず逃げたとして、横浜海上保安部は2日、中国漁船(乗組員11人)の船長陳文挺容疑者(40)を漁業主権法違反(立ち入り検査忌避)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。船の形状からサンゴの密漁の可能性があるとみている。

 横浜海保によると、陳容疑者の漁船は2日午前8時半ごろ、母島の東南東約298キロの日本の排他的経済水域内で、海保の巡視船が停船命令を出したのに無視して逃げた疑いがある。海上保安官が約2時間後、巡視船から乗り移って停船させたという。

https://digital.asahi.com/articles/ASM226DZ2M22ULOB00P.html

こういう事件に尾ひれをつけて、中国軍による意図的な侵犯だとか侵略の予行だとか主張するバカが必ず現れるんですが、日本の漁船もこんな感じで逮捕されていたりします。

ロシア当局 “不法なカニ漁で連行” 解放の見通し明らかにせず

2019年2月2日 12時29分
島根県のかにかご漁船、「第68西野丸」が日本海でロシアの警備艇に連行されたことについて、ロシアの警備当局の関係者は、NHKの取材に対し「ロシアの排他的経済水域で不法にカニ漁を行っていたため連行した」と述べました。一方で、解放の見通しについては明らかにしませんでした。
島根県などによりますと島根県かにかご漁業組合に所属する漁船「第68西野丸」は、カニ漁のため先月26日に、鳥取県境港市の境港を出港しましたが、4日後の30日に、水産庁から「ロシアの警備艇に連行された」と連絡が入りました。
船には、地元の水産会社社長の利見秀治さん(52)など合わせて10人が乗っていて、ロシア ウラジオストクにある日本総領事館によりますと、今のところ乗組員の健康状態に問題はないということです。
一方、ロシアの警備当局の関係者は、NHKの取材に対し「第68西野丸」は現在、ロシア極東のナホトカ港に停泊しているとしたうえで「ロシアの排他的経済水域で不法にカニを取っていたため連行した。書類や漁獲物を詳しく調べている」と話しました。
一方で、解放の見通しについては明らかにしませんでした。
日本総領事館は、ロシア当局と連絡をとって詳しい情報の収集にあたっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190202/k10011800871000.html

当たり前のことですが結局漁業は経済活動なのであって、故国の経済状態や不正操業により見込まれる利益そして船長の性格などの要因から、不正な漁業活動に挑む漁船が出てくるわけですよ。
そこに国家的意思が影響するなんてことはまず無いわけで、基本的には船長らが自らの利益を追求した結果として不正操業事案が生じていると言えます。

こんなことにまで国家的意思を見出そうとすると陰謀論に絡めとられるので注意が必要です。