近藤大介氏の往生際の悪さ

この件。
朝鮮労働党幹部が明かした「金正恩異変説」の真相(5/12(火) 7:01配信 現代ビジネス)

ここで近藤氏はこう弁解しています。

 さて、私は4月24日にこのコラムで、中国の医療関係者の証言として、「植物人間説」を紹介した。それは、今年に入って新型コロナウイルスの問題でいろんな話を提供してくれた中国の医療関係者からもたらされたものだった。私は「にわかには信じがたい話」という自分のコメントも記事に添えた上で掲載したのだが、各方面から叩かれた。
 もとより、結果的に金正恩委員長が姿を見せたのだから、コラムの読者諸氏に誤解を与えた点があったとすれば、そこのところはお詫び申し上げたい。その後、その医療関係者に追加で話も聞いてきたが、「中国が医師団を北朝鮮に急遽、派遣したこと」及び「金正恩委員長が北朝鮮医師の手によって、心臓疾患の手術を受けたこと」は間違いないと、いまでも主張している。いずれにしても今後、さらに情報を精査し、記事を提供していく所存である。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e1803fb3393d9cafd05a4a0b35f41a5f47240153?page=1

「植物人間説」は、あくまでも「中国の医療関係者の証言」として紹介しただけで、自分は「にわかには信じがたい話」だとコメントしているという言い訳です。

しかしながら近藤氏が「植物人間説」を述べた記事のタイトルは「金正恩は「植物状態」に…? 関係者らが明かした「重病説」最新情報 じつは年始から「異変」はあった 」です。
要するに「にわかには信じがたい話」“だが”思い起こせば「じつは年始から「異変」はあった」として、「植物人間説」を強く支持するタイトルになっています。

記事中の記載も「ある中国の医療関係者」から聞いた話として極めて具体的なものです。

だが、「爆弾証言」が入ってきた。金正恩委員長は、手術を受けて「植物人間化した」というのだ。
ある中国の医療関係者は、私に次のような詳細な経緯を明かした。

金正恩委員長は、地方視察に出かけている最中、突然心臓に手を当てて倒れた。同行していた医師団は、慌てて心臓マッサージを施しながら、近くの救急病院に搬送した。
同時に、中国に、『すぐに医療団を北京から派遣してほしい』と緊急要請した。中国は、北京にある中国医学院阜外医院国家心血管病中心と人民解放軍301医院の医師らを中心に、器材なども含めて50人近い派遣団を組み、特別機で平壌へ向かった。
ところが、中国の医師団を待っていては助からないと見た北朝鮮の医師団は、緊急の心臓ステント手術を行うことにした。執刀に当たったのは、中国で長年研修を積んだ北朝鮮の心臓外科医だった。
心臓ステント手術は、それほど難易度の高い手術ではない。最も重要な血管にステントを入れる施術自体は、1分くらいの時間で済ませられる。
ところが、執刀した外科医は、ものすごく緊張して、手が震えてしまった。かつ、金正恩ほどの肥満体を執刀した経験がなかった。それで、ステントを入れるのに、8分ほどもかかってしまったのだ。
その間に、金正恩委員長は、植物人間と化してしまった。中国の医師団が到着して診察したが、もはや手の施しようがなかった」

にわかには信じがたい話だが、この中国の医療関係者の証言が事実だとするなら、独裁者の「政治的生命」の最期は、かくもあっけないものだったのだ。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72122

ここで近藤氏は「にわかには信じがたい話」としているものの、その後に「たしかに、「異変」はあった。」として「太陽宮殿の参拝を欠席」「他にも「異変」はあった。私は平壌のある旧知の外交官に連絡を取った。」「その後、3月初頭にも、平壌で「異変」が起こる。この外交官が続ける。」「他にも平壌で「異変」が起こり始めていた。」「思えば、祖父の金日成主席、父親の金正日総書記も、「突然死」している。」と述べ、果ては近藤氏が占い師に聞いた「顔に出ていた「悲劇を迎える相」」まで「植物人間説」を支持する情報として記載している。

極めつけは文末の内容です。

2020年1月下旬、北朝鮮新型コロナウイルス流入を防ぐため、中国との国境を封鎖した。国連の経済制裁に加えて、貿易の9割以上を担う中朝国境を封鎖したことで、北朝鮮経済はいよいよ崩壊に向けてカウントダウンとなっていった。
それとともに、金正恩委員長のストレスも、かつてないほどに強まっていったのだろう。暴飲暴食がたたり、デビューした頃は推定80kgだったのが、130kgを超える巨漢となった。そして健康を害していったのである。
今後、金与正体制が順風満帆に行くなどと考える世界の北朝鮮ウオッチャーは、おそらく皆無だろう。中朝国境の町・丹東の関係者が語る。

「すでに4月27日から5月20日までの丹東と大連を結ぶ高速鉄道は、すべて運行停止になった。緊急事態を発令して人民解放軍が中朝国境に増派されるという噂が立っている」

新たな北朝鮮動乱の始まりである。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72122

この部分では近藤氏は既に「植物人間説」を全く疑っていない体です。断定的に「健康を害していったのである」と書き、最後は「新たな北朝鮮動乱の始まりである」と締めくくています。

この記事構成で発信しておきながら“自分はあくまでも「植物人間説」を「中国の医療関係者の証言」として紹介しただけ”なんて言い訳は通用しませんね。