嫌韓バカが歓迎している安倍政権の対応は、韓国憲法裁判所の思惑通りだしまあいいんじゃないの、という感想

こちら嫌韓バカや自称保守が、歓迎・支持している内容ですが、まあこんな感じです。

韓国最高裁で日本企業の敗訴が確定した場合、日韓請求権協定に基づき韓国側に協議を求める方針を伝えた。韓国側が協議に応じなかったり、協議が不調に終わったりしたら、ICJへの提訴のほか、第三国の仲裁委員を入れた処理を検討すると表明した。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131125/plc13112508190008-n1.htm

多分、嫌韓バカや自称保守は「戦時徴用訴訟で韓国に警告 政府、敗訴確定なら「国際司法裁に提訴」」というタイトルくらいしか理解していないのでしょうが、そもそも「日韓請求権協定に基づき韓国側に協議を求める」というのは、韓国政府側にとっても歓迎すべき対応です。というのも、戦時強制労働の事件とは異なりますが、同じ日韓請求権協定関連で2011年8月30日に韓国憲法裁判所が出した判決には以下のような主文が書かれています。

主 文

請求人らが日本国に対して有する日本軍慰安婦としての賠償請求権が、「大韓民国と日本国間の財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する協定」第2条第1項によって消滅したか否かに関する韓・日両国間の解釈上の紛争を、上の協定第3条が定めた手続きに従って解決しないでいる被請求人の不作為は、違憲であることを確認する。

http://www.wam-peace.org/wp/wp-content/uploads/2011/09/64e1569fcbc532fd1df34f353e7e7f09.pdf

ここで、「上の協定第3条が定めた手続き」というのが以下の内容であって、まさに日韓請求権協定に基づく協議です。

第三条
1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。
2 1の規定により解決することができなかつた紛争は、いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。
3 いずれか一方の締約国の政府が当該期間内に仲裁委員を任命しなかつたとき、又は第三の仲裁委員若しくは第三国について当該期間内に合意されなかつたときは、仲裁委員会は、両締約国政府のそれぞれが三十日の期間内に選定する国の政府が指名する各一人の仲裁委員とそれらの政府が協議により決定する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員をもつて構成されるものとする。
4 両締約国政府は、この条の規定に基づく仲裁委員会の決定に服するものとする。

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/JPKR/19650622.T9J.html

第180回国会では参議院に請願も出されています。

政府に慰安婦問題、韓国人被爆者問題に関する韓国政府との協議を求めることに関する請願

 昨年八月に韓国の憲法裁判所は、日本軍慰安婦問題と韓国人原爆被害者問題について、日韓会談では未解決であり、韓国政府が、日本政府と解決のための協議を行わないのは、国民の人権を守る義務を果たしている韓国憲法に違反するとの決定を下した。これを受けて、韓国外交通商省は昨年九月、日本政府に日韓請求権協定に基づく協議を公式に求めたが、日本政府は、「日韓請求権協定で解決済み」として協議に応じようとしていない。同協定は、被害者が日本国に対して有する賠償請求権が日韓請求権協定第二条第一項(完全かつ最終的に解決)によって消滅したか否かに関する日韓両国間の解釈上の紛争がある場合は、同協定第三条が定めた手続(まず外交上の経路を通じて解決する、それができなかった場合には仲裁委員会をつくる)に沿って解決することとなっている。日韓請求権協定により、韓国人原爆被害者問題、慰安婦問題が解決済みであるか否かについて、両国に解釈上の紛争があることは明らかであり、日本政府は協議に応ずる条約上の義務があり、協議に応じないのは国際法違反に当たる。また、日本国憲法は、第九十八条で条約遵守をうたい、第九十九条で憲法を守る義務を政府に課しており、韓国政府から求められている日韓請求権協定に基づく協議に応じないのは日本の最高法規である憲法にも違反する。また、日韓請求権協定の合意議事録には、「完全かつ最終的に解決されたこととなる…請求権に関する問題」は、韓国側が提出した「韓国の対日請求要綱(いわゆる八項目)の範囲に属するすべての請求が含まれており、したがって、同対日請求要綱に関しては、いかなる主張もなしえないこととなることが確認された」としており、慰安婦問題、被爆者問題は、この八項目に含まれていない。いずれにしても、日韓請求権協定によりこれらの問題が解決したか否かについて、両国政府が、正々堂々と公開の協議を行い、両国国民がこの問題について共通の理解を持つことができるようきちんとした対応を日本政府に要請し、国の最高機関である国会がそのための必要な措置を講じることが必要である。
 ついては、次の事項について実現を図られたい。

一、政府が、国際条約、日本国憲法を遵守し、日韓請求権協定に基づく韓国政府との協議に応じ問題解決を行うこと。

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/180/yousi/yo1800277.htm


産経記事では、タイトルはまるで一足飛びに国際司法裁判所に行くかのような記載をし、内容では「韓国最高裁で日本企業の敗訴が確定した場合、日韓請求権協定に基づき韓国側に協議を求める方針」とトーンダウンしつつも日本側の主体的な行動のように偽装していますが、何のことはなく、これまで韓国政府が日本政府に求めてきた日韓請求権協定に基づく協議に対し、韓国最高裁での日本企業敗訴をきっかけとして応じるというだけの話に過ぎません。

というわけで、scopedog個人としては「韓国最高裁で日本企業の敗訴が確定した場合、日韓請求権協定に基づき韓国側に協議を求める方針」という安倍政権の方針に賛成です。
安倍政権の支持母体である嫌韓バカや自称保守らも賛同している事ですし、是非ともこれまで韓国政府が求めてきた「日韓請求権協定に基づく協議」に安倍政権が応じることを期待しています。


個人的には、安倍政権が面子を保てる落としどころを探っているような感じがしています。まあ、これまで救済されてこなかった被害者たちのためになるのなら、安倍氏個人が矮小な自尊心に拘ろうが何だろうが、些事に過ぎません。