産経新聞、また印象操作。与野党双方の譲歩による国会正常化を野党の“完敗”と歪曲

例によって産経新聞

戦略なき審議拒否に限界、折れた野党 「18連休」批判で追い込まれ

5/8(火) 8:30配信 産経新聞
 18日間の国会審議拒否を続けた立憲民主党などの野党は審議復帰を決めたが、条件として求めた麻生太郎副総理兼財務相の辞任や柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)の証人喚問は勝ち取れなかった。与党は野党に構わず審議を進め、世論の批判の矛先は安倍晋三政権から「連休」をとり続ける野党へと変わっていった。目立った成果に乏しく、野党は国会戦術で完敗したといえる。
(略)
 自民党幹部は7日夜、迷走した野党の国会戦術をこうあざ笑った。「野党は税金泥棒といわれるのが嫌だろうからな」(田中一世、小沢慶太)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180507-00000562-san-pol

8億円値引きという形で税金を盗んだ安倍政権に対して異常に甘い産経新聞が事実を捻じ曲げるのはいつものことですけどね。

毎日新聞では国会正常化について次のように報じています。

 焦点は、柳瀬唯夫元首相秘書官の国会招致だった。強引な国会運営との批判を懸念する与党は、加計(かけ)学園問題を巡って、柳瀬氏が参考人招致に応じて2015年4月に同学園関係者と会ったと認めるという新たな「カード」を事実上提示。証人喚問にこだわっていた野党も、柳瀬氏の新証言を得られる確証を得てこれに乗った。「た野党も、柳瀬氏の新証言が得られる確証を得て、これに乗った。」*1
 加計学園は昨年1月、安倍晋三首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議で事業者に選ばれた。与党は手続きに問題がないとの証言を得るため、同会議メンバーの八田達夫大阪大名誉教授も招致することを野党に受け入れさせた。一方、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんでは財務省に決裁前文書を18日までに公開させ、自衛隊の日報問題では防衛省の調査チームに月内に結果を報告させることを決定。予算委集中審議は14日に加えて少なくとももう1回開くことで一致。いずれも野党の要求を受け入れた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180507-00000085-mai-pol

証人喚問を求める野党に対して、与党は参考人招致に加えて新証言を出すという条件を追加したわけですから、野党が与党側から譲歩を勝ち取ったと言える部分ですが、産経に言わせれば、要求が100%通ったわけではないから野党の「完敗」ということになるようです。
与党も野党に対して、擁護担当として国家戦略特区諮問会議メンバーである八田達夫氏を招致するという条件を飲ませたわけで、これは野党側の譲歩とも言えますが、野党にとってさほど拒否する理由があるようにも思えません。

まあ、柳瀬氏の参考人招致ですが、結果的には安倍政権に都合のいい記憶の無くし方をしていたようですね。首相秘書官が、紹介されてもいない相手から会いたいと言われるがままに会って国家戦略特区の話をしていながら、メモも取らず、首相に報告もせず、2014年には官邸には「笑っていいとも」に電話で出演した記録すら残っていると安倍が自慢げに語っていたにもかかわらず、加計関連の官邸訪問者の記録は突如として残されていないことになるとか*2

その意味では、参考人招致を与党に認めさせたのは野党の成功だったと言えるでしょうね。




戦略なき審議拒否に限界、折れた野党 「18連休」批判で追い込まれ

5/8(火) 8:30配信 産経新聞
 18日間の国会審議拒否を続けた立憲民主党などの野党は審議復帰を決めたが、条件として求めた麻生太郎副総理兼財務相の辞任や柳瀬唯夫元首相秘書官(現経済産業審議官)の証人喚問は勝ち取れなかった。与党は野党に構わず審議を進め、世論の批判の矛先は安倍晋三政権から「連休」をとり続ける野党へと変わっていった。目立った成果に乏しく、野党は国会戦術で完敗したといえる。
 「野党が国会を止めるというかなり強い態度に出ないと、秘書官の記憶はよみがえらなかったのか」
 立憲民主党辻元清美国対委員長は7日、記者団にこう語り、柳瀬氏が学校法人「加計学園」関係者との面会を認める意向を固めたことを審議拒否の成果と誇った。
 だが、国会正常化は野党が折れた結果だ。与党側は先月から柳瀬氏の参考人招致を認める一方、証人喚問は拒む方針を繰り返し伝えてきた。安倍首相を攻撃できる予算委員会の集中審議が開かれるとはいえ、18日間も審議を拒んだ実質的な成果が「記憶のよみがえり」では釣り合わない。
 審議拒否を始めた4月20日当時は、財務省の決裁文書改竄(かいざん)や前事務次官のセクハラ問題への批判が沸騰しており、野党は国会で強硬姿勢をみせても世論が付いてくると踏んだのだろう。
 ただ、与党は「議論に応じない野党はいずれ国民に見放される」(自民党幹部)と分析。4月27日の衆院本会議では、日本維新の会を除く野党が欠席する中、政府が最重要法案に位置づける働き方改革関連法案を審議入りさせた。連休のはざまの今月2日も、主な野党が欠席する中で審議を続けた。
 出口を見いだせない野党には、世論の逆風も吹き始めた。希望の党玉木雄一郎代表(当時)は3日、「地元や親からも『そろそろ出た方がいい』といわれる」と漏らしたほどだ。
 自民党二階俊博幹事長は7日の記者会見で「世間はお休みが終わったわけだから、国会でもここらでしっかりした対応をしてほしい」と皮肉まじりで野党を批判した。玉木氏は7日、国民民主党の共同代表に就いたが、就任会見では「原則今後の国会運営では審議拒否しない」と語らざるを得なかった。
 自民党幹部は7日夜、迷走した野党の国会戦術をこうあざ笑った。「野党は税金泥棒といわれるのが嫌だろうからな」(田中一世、小沢慶太)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180507-00000562-san-pol

<国会正常化>与野党、世論を考慮 「国会空転」反発強く

5/7(月) 21:43配信 毎日新聞

国会空転から正常化への経過
 与野党が7日に国会正常化で合意したのは、半月以上続いていた「国会空転」で与野党双方に世論の反発が高まっていたことが背景にある。早期の打開を目指す思惑は一致し、双方が歩み寄りを重ねたことで立憲民主党など野党の審議復帰に至った。
 自民党森山裕国対委員長は合意後、記者団に「国会が空転を続けてはいけない。合意できてよかった」と歓迎。立憲民主党辻元清美国対委員長も「お互いに譲りながら審議できる環境が整った。もやもやした疑惑に対する霧を晴らしていく」と強調した。
 焦点は、柳瀬唯夫元首相秘書官の国会招致だった。強引な国会運営との批判を懸念する与党は、加計(かけ)学園問題を巡って、柳瀬氏が参考人招致に応じて2015年4月に同学園関係者と会ったと認めるという新たな「カード」を事実上提示。証人喚問にこだわっていた野党も、柳瀬氏の新証言を得られる確証を得てこれに乗った。た野党も、柳瀬氏の新証言が得られる確証を得て、これに乗った。
 加計学園は昨年1月、安倍晋三首相が議長を務める国家戦略特区諮問会議で事業者に選ばれた。与党は手続きに問題がないとの証言を得るため、同会議メンバーの八田達夫大阪大名誉教授も招致することを野党に受け入れさせた。一方、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんでは財務省に決裁前文書を18日までに公開させ、自衛隊の日報問題では防衛省の調査チームに月内に結果を報告させることを決定。予算委集中審議は14日に加えて少なくとももう1回開くことで一致。いずれも野党の要求を受け入れた。
 国会空転に気をもむ大島理森衆院議長の仲介もあり、与党は柳瀬氏の新証言をテコに、大型連休明けからの野党の審議復帰を働きかけた。7日は希望の党民進党が国民民主党を結成し、局面も変わった。同党の玉木雄一郎共同代表は設立大会後の記者会見で「審議拒否はしない方針で臨みたい」と語った。断続的に続いた与野党協議は同夕に、国会正常化で合意。審議復帰を決めた辻元氏は「これからは徹底審議でいく。ギアチェンジだ」と説明した。【村尾哲、立野将弘】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180507-00000085-mai-pol