英英辞典を引くというスキルを新たに手に入れたJSF氏は、新たなる一歩を踏み出した。
前回紹介した英英辞典のサイトで、”phosphorus”に”A phosphorescent substance”の意が含まれることを知った彼は、同サイトで”phosphorescent”を調べてみたそうな。
そしてここにたどり着く。
phos·pho·res·cence (fsf-rsns)
http://www.thefreedictionary.com/Phosphorescent
n.
1. Persistent emission of light following exposure to and removal of incident radiation.
2. Emission of light without burning or by very slow burning without appreciable heat, as from the slow oxidation of phosphorous: "He saw the phosphorescence of the Gulf weed in the water" Ernest Hemingway.
で、この”phosphorescence”の説明を延々と始めるわけだが・・・
先に言っちゃうと、「2」の意味で「継続的な発光」と解せますね*1。
照明弾は、熱を伝えることを目的としていないし、その目的上ゆっくり発光させるわけで、「very slow burning without appreciable heat」まんま。「the slow oxidation of phosphorous」が気になるんだろうけど、「as」でつないでいることに留意しよう*2。
「as」の意味
ではJSF氏はどう読んだのか?
1番目の意味は、入射光が除去された後も発光が継続する、という意味です。
http://obiekt.seesaa.net/article/115461042.html
2番目の意味は、火災や熱の無い、或いは殆ど無い状態で発する光、特に燐のゆっくりとした酸化現象という意味です。
最初はテキトーに読んだので見落としてたけど、JSF氏は「as」を「特に」と訳したのか・・・。
超訳やん。
「Emission of light without burning or by very slow burning without appreciable heat, as from the slow oxidation of phosphorous」
を普通に訳せば、
燐含有物のゆっくりとした酸化から発するような、燃焼を伴わない、あるいは、明確な熱を伴わないゆっくりとした燃焼による光の放出
(scopedog訳)
だよな。「特に燐のゆっくりとした酸化現象」っておいおい(苦笑)。JSF氏、捏造もいい加減にしとけよ。
「as from the slow oxidation of phosphorous」の部分は単なる例示であって、これによる光、つまり燐光のみを意味しているわけじゃないことくらい理解できるだろ。
*3
もし燐光に限定するなら、「as」はいらないわけで*4。
「as」には色々意味があるけど、「特に」という意味はないと思うんだが、JSF氏はどこから「特に」と持ってきたのかなぁ?*5
JSF氏は英英辞典を使うことは覚えたようだが、使いこなせてはいないようだ*6。
高校英語の最初か中学英語の後半くらいで習う初歩的な文法だろうに・・・。
で、
英英辞典にある「phosphorus」にある2番目の意味「A phosphorescent substance」とは「燐光物質(燐光体)」を意味するので、用法としては著しく限定されるものです。単に「継続的に発光する」というような広い意味では使えないのですよ。
http://obiekt.seesaa.net/article/115461042.html
てか?
よくもまあ、こんな嘘がぺらぺらと出てくるもんだ。あきれるね、全く。
例示に過ぎない燐光を、意味の全てであるかのように偽装し縮小解釈するとは・・・。
luminous without sensible heat
ちなみに別の辞書で引くと、
Phosphorescent
Phos`phor*es"cent\, a. [Cf. F. phosphorescent.] Shining with a phosphoric light; luminous without sensible heat. -- n. A phosphorescent substance.
http://dictionary.reference.com/search?q=phosphorescent
「特に燐のゆっくりとした酸化現象」なあんて説明はもちろん「リン」のリの字もありませーん。残念!Phosphorescentという表現は燐光に限定されるわけじゃないことがここからもわかります。
「luminous without sensible heat.」という説明は端的で実にわかりやすい。
「顕著な熱を伴わない発光」
うん、わかりやすい。これなら理解できるでしょ?
照明弾というのは、熱を感じられる距離で使うものではないので、「phosphorus」を(熱を伴わない)発光体と訳して何の問題もありません*7。
英英辞典で解説されている2番目の意味で考えても、照明弾の光を燐光扱いは出来ません。
http://obiekt.seesaa.net/article/115461042.html
「luminous without sensible heat.」の説明には「燐光」に限定する表現は皆無なので、JSF氏の「燐光扱い」とかいう説明は意味がありません。2番目の意味の初歩的な英文和訳を間違えて、勝手に燐光に限定しているのはJSF氏です。JSF氏は必死に英文解釈を捻じ曲げて縮小解釈しようとしているようですが、残念な結果に終わったようです。
故にもしアムネスティが照明弾の発する光を「燐光」の意味で使っているとしたら、完全に言葉の使い方を誤っています。
http://obiekt.seesaa.net/article/115461042.html
そんな誰もしていない主張を否定して見せてもバカ信者しか喜ばないと思いますが?
そもそもJSF氏は、英英辞典の説明の訳し方を完全に誤っています。ていうか、わざとでしょ?
アムネスティが照明弾の発する光を「luminous without sensible heat」の意味で使っているとしたら、何の問題もありませんね。
”匿名の理系ブロガー”*8は国語表現に弱いのか?
硝酸ナトリウムとマグネシウム粉を反応させる照明弾は、激しい燃焼を伴って強い光を発するからです。
http://obiekt.seesaa.net/article/115461042.html
ふーん、君らは照明弾を間近で見るものだと思ってるのかな?
ちなみに夜空に輝く星の大半は激しい核反応を伴って強い光を発していますけど、「星明り」というと、ほのかな明るさを意味します*9。
今回のポイント
JSF氏は、
2. Emission of light without burning or by very slow burning without appreciable heat, as from the slow oxidation of phosphorous:
を
火災や熱の無い、或いは殆ど無い状態で発する光、特に燐のゆっくりとした酸化現象
と訳した。
点数をつけるとしたら、10点満点で2点くらいかな*10。前置詞とか接続詞の理解、意味の中心となる語*11の把握が不十分です。もう少し頑張りましょう*12。ちなみに2点はお情けです。厳しい教師なら0点ですよ。
なんで俺がこいつの英訳を添削してやらなきゃならないんだか・・・*13
それにしても、かなりの数の信者どももこのJSF氏の超訳を読んだはずだが、揃いも揃って節穴しか持ってないんだな*14。
いやま、俺も最初見落としてたから大きなこと言えんが。テヘ。
細かいつっこみ
「熱の無い、或いは殆ど無い状態で」
→これも誤訳。
原文は「very slow burning without appreciable heat」なので、普通に「明確な熱を伴わないゆっくりとした燃焼」と訳すのが正しい。
JSF氏は、「or」が何と何を繋いでいるかすら理解できていない。がっかりだな。
あとJSF氏の訳では、「from」はまるっきり無視されている。まあ「from」を訳したら「特に燐のゆっくりとした酸化現象」とはならないから当然だろうが。
もっとも細かい点だけど、「phosphorous」は「燐」じゃなくて、「燐含有物」と訳した方が適切だと思う。ま、これはどっちでもいい。
ちなみに、
2. Emission of light without burning or by very slow burning without appreciable heat, as from the slow oxidation of phosphorous:
を丁寧に分解すると、こうなる↓。
Emission of light without burning.
or
Emission of light by very slow burning without appreciable heat.
For example (原文でasだった部分), Emission of light from the slow oxidation of phosphorous.
これを「火災や熱の無い、或いは殆ど無い状態で発する光、特に燐のゆっくりとした酸化現象」なんて訳せないよ、普通。
JSF氏へ
反論あるなら、次のエントリでUPしてください。次に本エントリの反論とは関係ないエントリがUPされたら、JSF氏は尻尾を巻いて逃げ出したと判断します。
まあ、逃亡確認後は、この件で追撃しないので安心してください。そのくらいのお情けはくれてやります。
反論は、英文のどの部分をどう訳して
火災や熱の無い、或いは殆ど無い状態で発する光、特に燐のゆっくりとした酸化現象
↑こうなったのかを、詳細に説明して行ってください。
特に「特に」はどっから持ってきたのか、を具体的に。
あと、「luminous without sensible heat.」をJSF氏はどう解釈するのかも示してもらいましょう。
予測される信者の行動
その1.
「その程度の間違いは大したことじゃない」
→回答:phosphorescenceを燐光に限定されない「顕著な熱を伴わない発光」と解釈できる以上、当該エントリの主旨が崩壊するので、重大なミスです。
その2.
「意訳であって直訳じゃない、意味は同じ」
→回答:だとすれば、「2」の意味を燐光に限定しようとしたJSF氏は読解力に著しい障害を持っていることになりますね。もちろん意訳だとしても誤訳であることに違いはありません。
その3.
火病る
→回答:処置なし。医学用語で手遅れです。
*1:彼や信者どもには理解できないようだが
*2:言うまでもないけど、「〜のように」って意味だよ。
*3:理解できないなら、救いがたい低能だ。
*4:”Emission of light without burning from the slow oxidation of phosphorous”となる筈ですねえ
*5:これも見えないテキストになるのかな?
*6:まあ、これは好意的な解釈、実際は知ってて捏造してそう。
*7:何度も言うけど、アムネスティの報告書作成者がどういう意図で使ったかは知りません。
*8:例の写経のようなコメント欄の中にこう評した信者コメンタがいたですよ。
*9:この一文が含意するところも理解できないんだろうなあ、きっと。
*10:信者は手放しで10点以上つけるんだろうけど・・・
*11:この場合なら、 Emission of lightであって、oxidationではない。
*12:たいしたことじゃないけど、ここで”burning”を”火災”と訳すのも味わい深いものがあるなあ・・・。間違ってるとは言わんが。
*13:いや、まあ、好きでやってるんだけどさ。前回、せっかく「そういう解釈もあるかもね〜」と逃げ道を用意してやったのに、つまらん捨て台詞を吐くから・・・。俺もめんどくさいし、JSF氏も恥の上塗りするだけで誰も得をしないのになあ・・・。軍オタならもう少し戦略的に動いたらどうかね?
*14:うちにコメントしてきてるバカ信者どもは皆気づいてないんだろうし