国会図書館のサイトにある「史料にみる日本の近代」には、「歴史史料はこう使う」*1とか結構面白い事が書いてあります。
「歴史史料とは何か」では以下のような説明があり、そりゃ普通日記は一次史料だよな、とか思ったり。
史料は一つ一つ、歴史研究を行う上での有効性・信頼度(信憑性)が異なり、これを見極める作業を「史料批判」と呼ぶ。文献史料を例にとると、その目安となるものは、その史料を「いつ」「どこで」「だれが」書いたか、の三要素であり「そのとき」「その場で」「その人が」の三要素を充たしたものを「一次史料」と呼び、そうでないものを「二次史料」と呼んでいる。
一次史料の代表的なものには日記、書翰、公文書がある
http://www.ndl.go.jp/modern/guidance/whats01.html
さて、「第5章 新日本の建設」「(a)終戦と占領」の中には「終戦の解放感」と題して、「吉田茂書翰 来栖三郎宛」の画像が公開されている。
(略)
http://www.ndl.go.jp/modern/img_t/096/096-004tx.html
敬覆、遂に来るものか来候。If the Devil has a son, surely he is Tojo. 今迄の処、我負け振も古今東西未曽有の出来栄と可申
(略)
見て来たようなはなしあり。因果はめぐる何とか、嘗て小生共を苦しめたるケンペイ君、ポツダム宣言に所謂戦争責任の糾弾に恐れを為し、米俘虐待の脛疵連、昨今脱営逃避の陋態、其頭目東条は青梅の古寺に潜伏中のよし。釈放せられし当時、実は今に見ろと小生も内々含むところなきに非りしも、今はザマを見ろと些か溜飲を下け居候。
(略)
「If the Devil has a son, surely he is Tojo.」てのは結構キツイ。
吉田茂の孫である麻生太郎がA級戦犯の靖国合祀に批判的なのもうなづける*2。
*1:http://www.ndl.go.jp/modern/guidance/how01.html
*2:2006年3月8日(外相時)日本記者クラブ会見での発言 「靖国神社に戦死者でない人が祭られていることが非常に大きな問題点だ」