一応、前回の続きです。
ここでも被告は、国ではなく鹿島だったことが重要である。炭鉱の労働実態は「強制労働」といってよい劣悪なものだったが、それを強制していたのは民間業者であり、政府ではない。したがって花岡事件について、国は謝罪も賠償もしていない。本書は「朝鮮人強制連行」を糾弾する岩波書店の本だが、版元の意図に反して、その実態はたった245人だったことを研究者が実証している。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51857067.html
ここでも、池田信夫氏は朝鮮人強制連行と中国人強制連行の区別がついていません。誰か教えてあげればいいのに。
ちなみ前回も指摘したとおり、「朝鮮人強制連行 (岩波新書)」の著者外村氏は内地に労務動員された朝鮮人を「四十数万人程度と推算」(同書P210)しており、「たった245人」などではありません。「研究者が実証している」の研究者が外村氏を指すのなら、内容を改ざんして説明している池田信夫氏は、外村氏に対する悪質な名誉毀損行為と犯していると言えるでしょう。
ただ官斡旋は事実上の国による動員ともいえるので、それを含めると終戦の段階で動員された朝鮮人は32万人以上だが、この中に女性はいない。これは女子は徴用の対象としないという方針が決まっていたためだ。もちろん「慰安婦」という要員は、戦時労務動員計画の中にはない。したがってその総数も推定するしかないが、秦郁彦氏によれば2〜3万人で、ほとんどが募集だろうという。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51857067.html
ちなみに「朝鮮人強制連行」の序章(P8)には「軍人や軍属としての動員、慰安婦についてまでカバーすることはできず、専ら政府決定の計画、正確な用語を用いれば労務動員計画と国民動員計画の枠のなかでの労働者としての動員に焦点をしぼって史料を収集し考えてきた。(略)したがって朝鮮人強制連行という概念を広くとると、論じていない部分があるが、その中核的な部分を本書の対象にしていると考える」と書かれていて、慰安婦を強制連行に含まないとは考えていないことがわかります。
本当に池田氏は全く同書を読んでいないようです。
ちなみに慰安婦問題を論じるのに秦郁彦氏をひいても説得力はほぼ皆無です。
橋下徹氏は「強制連行でなくても慰安婦はよくないので謝罪する」というが、なぜ謝罪の対象を女性に限定するのか。強制労働の実態は、男性のほうがはるかに大量で苛酷だった。韓国側がそれを知りながら問題にしないのは、慰安婦が性的好奇心にアピールし、女性の人権問題にすりかえやすいからだ。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51857067.html
この辺になると意味不明の言いがかりに過ぎません。池田氏の脳内世界では、慰安婦は「2〜3万人」で強制労働を強いられた男性「32万人以上」よりも少ないんだから騒ぐな、かといって、その「32万人以上」のうち強制連行されたのは「たった245人」だから、要するに、慰安婦にせよ、強制連行にせよ一切騒ぐな、という感じになっているようです。
すりかえてるのは池田氏の方なんですが、すりかえすぎて池田氏本人も気づいていないのかもしれません。
悲惨なのは慰安婦や強制連行ではなく、戦争なのだ。橋下氏が慰安婦に謝罪するなら、太平洋戦争による軍民300万人の犠牲者すべてに謝罪しなければならない。この機会にそれを思い出すことも悪くないが、もう無意味な「謝罪ごっこ」はやめ、冷静に史実の検証をしてはどうだろうか。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51857067.html
普段から戦争を煽ってそうな人が、こんなこと言っても説得力なさすぎで、いっそのこと人類の原罪に謝罪すればよいのに、とか思いますね。