NHK「未解決事件2 オウム真理教」の感想とか
NHK「未解決事件2 オウム真理教」
6月2日・3日に再放送されるようです。
番組概要|file.02 オウム真理教|NHK 未解決事件
オウム事件について、特に詳しく掘り下げて調べたことがなかったので勉強になりました。私が学生の頃は、学内では統一協会やオウム真理教が下火になりかけてたかなって時期でした。中核派とオウム系*1の団体が、廊下で押し合い圧し合いしていたのは記憶にありますが、珍しい物見たなって感じでした。
番組見ていて、信者の事故死を隠蔽してしまったことが転機になったんだろうな、とは思いましたが、当初から武装化を意図していた、というのには若干違和感がありました。「資本主義も社会主義も潰して宗教的な国家を作る」的な発言は、新興宗教内の発言としてそれほど珍しいものでもないように思えます。結局は新興宗教としてのオウムが社会に溶け込んでいけなかったために、そっち方向に走ったんだろうなとは思えますし、社会との融和を拒絶する傾向が他の新興宗教に比べても強かったのかも知れませんが、そこは番組からは判断できませんでした。
殺人を「ポア」と呼んで修行だとみなしていた件については、日中戦争で新兵に刺突訓練として捕虜の殺害をさせていた事例を思い出しました。教団内という一般社会とは隔絶された社内でのみ通用する殺人を「救済」のために正当化する理屈と、軍隊内というやはり一般社会から隔絶された社内で通用する殺人を「国益」のために正当化する理屈に共通点があるように思えます。
「警察vsオウム」の話では、サリン製造について警察はかなり掴んでいたけど、宗教団体ということで踏み込めなかった的に語られていましたが、警察内部にも警視庁や県警の間での手柄の取り合いで対応が遅れたのではないかなあと感じました。もちろん取材に応じた警察関係者はそんなこと言ってませんけど。