李容洙氏証言を否定する根拠は年齢のみ

歴史修正主義者や極右、嫌韓レイシストなどの慰安婦問題否定論者によって「嘘つき」などと誹謗中傷している元従軍慰安婦・李容洙氏証言ですが、誹謗中傷の根拠としているのは基本的に、連行された際の年齢を正確に覚えていなかった、というただそれだけです。

李容洙氏は1928年12月13日生まれです*1。この日付が旧暦か新暦か不明ですが、旧暦12月13日であれば新暦1929年1月24日となります*2
従って、李容洙氏が強制連行された1944年秋の時点での年齢は以下のようになります。

誕生日 1944年秋時点の数え年 1944年秋時点の満年齢
新暦1928年12月13日 17歳 15歳
旧暦1928年12月13日 16歳 15歳*3

つまり、誕生日である1928年12月13日が新暦か旧暦か、数え年か満年齢か、で強制連行当時の年齢は15歳〜17歳の幅を持つわけです。
さらに新暦1928年12月13日誕生日の場合、1944年秋の時点では15歳ですが間もなく満16歳となりますので、連行されたのは満16歳という表現もおかしくはありません。
李容洙氏が自らの体験を公に語り始めたのは1990年代ですから、証言時は60代後半にさしかかっています。新暦・旧暦、数え年・満年齢で混乱が生じても別段おかしいとは言えません。

これらを踏まえて二次強姦魔の誹謗中傷を見てみると、”連行当時の年齢が14〜16歳でぶれている”という理由だけで、証言全てを否定していることがわかります。

慰安婦問題を否定する二次強姦魔はたったこれだけの根拠で、強制売春の被害者を嘘つきだと罵倒しているわけです。

ちなみに2005年の同志社大学での証言で李容洙氏自身が以下のように数え方によって年齢が変わりうることに言及しています。

その時私は韓国の年齢で16歳でした。日本の年齢で言うと14歳か、15歳です。*4

http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2005/leeyongsoo.htm

こういう点も日本の二次強姦魔には無視されています。

*1:http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/2005/leeyongsoo.htm

*2:現在の旧暦計算からの逆算のため史実と異なる可能性があります。朝鮮総督府が定めた朝鮮民暦には、朝鮮で良く用いられていた太陰暦も併用して記載しているので、1930年頃でも地域によって旧暦が使われていた可能性は高いと言えるでしょう。

*3:2012/9/29誤記訂正。満年齢なので誕生日が1928年12月でも1929年1月でも1944年秋時点では満15歳です。

*4:12月生まれの場合、誕生後最初の新年を迎えると数え年は2歳になりますので、満年齢は数え年の1歳か2歳下という認識で話す場合、韓国の年齢(数え年)で16歳、日本の年齢(満年齢)では14歳か15歳、という表現になるのは不自然ではありません。