どっちが重要?

1)日本(一般政府)の粗債務と純債務
日本には1000兆円を超える政府債務があると度々マスコミ報道されています。 たた、この政府債務とは正しく言えば一般政府の粗債務です。 日本政府には資産も多額にあるため、日本政府の債務で重要なのは純債務です。

http://d.hatena.ne.jp/shavetail1/20121224

という記事がありましたが、財務省では以下のように言っています。

・国においては、企業会計の考え方を活用して貸借対照表(バランスシート)を作成しており、平成21年度末時点では、1,019兆円の負債に対し、647兆円の資産が存在しています。

・しかしながら、これらの資産の大半は、性質上、直ちに売却して赤字国債建設国債の返済に充てられるものでなく、政府が保有する資産を売却すれば借金の返済は容易であるというのは誤りです。
代表的なものをご説明すると、
(1) 年金積立金の運用寄託金(121兆円)は、将来の年金給付のために積み立てられているもので、赤字国債建設国債の返済のために取り崩すことは困難です。
(2) 道路・堤防等の公共用財産については、例えば国道(63兆円)などや堤防等(67兆円)などとして公共の用に供されているものであり、また、収益を生むわけでもないので、買い手はおらず、売却の対象とはなりません。
(3) 外貨証券(82兆円)や財政融資資金貸付金(139兆円)はFBや財投債という別の借金によって調達した資金を財源とした資産であり、これらの借金の返済に充てられるものであるため、赤字国債建設国債の返済に充てることはできません。
(4) 出資金(58兆円)は、その大部分が独立行政法人国立大学法人、国際機関等に対するもので、これらに対する出資は、そもそも市場で売買される対象ではありません。

(注) 国際機関などでは、一国の財政の健全性を見る際、中央政府・地方政府・社会保障基金を合わせた負債の残高(総債務残高)の対GDP比が用いられることが多いのですが、我が国は2012年度に219.1%に達する見込みであり、主要先進国中最悪の水準です。
これについて、負債から金融資産を差し引いた純債務残高でみれば低くなるとの指摘がありますが、これら金融資産については、上記と同様、将来の年金給付のための備え等、直ちに売却し政府債務の返済に用いることができない性質のものであり、純債務残高で財政の健全性を論じることは適当ではないと考えています。なお、仮に純債務残高で見た場合でも、我が国は134.8%となり、主要先進国中最悪の水準です。

http://www.mof.go.jp/faq/seimu/03.htm

これはこれでなるほどと思わされますが・・・