震災直後の自民党の政局優先っぷりは確かにひどかった

菅元首相がこう書いていました。

安倍総理の施政方針演説
   昨日の安倍総理の施政方針演説を聞いて、特に、国会議員への呼びかけとして「政局に明けくれたり、足の引っ張り合いをするためではなかったはずです。」というくだりには違和感を覚えた。大震災と原発事故の渦中、当時の総理であった私に対して、嘘の情報をもとに、「海水注入を止めさせた責任をとって即刻総理を辞任しろ」と政局に明け暮れ、足を引っ張ったのは安倍さん本人であったからだ。

http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-11481038855.html

当時、産経新聞菅首相に責任があるかのように捏造記事を書いていたことは、以前に記事にしています。
産経新聞が火種をばら撒き、ネトウヨが油を注ぎ、野党自民党が政局に利用して菅政権の足を引っ張り、震災対応を妨害し、被災民の被害を拡大させるという流れになっていましたね。
大本の産経新聞が率先してデマを発信することもあり、被災者支援の悪影響をもたらしてもいます*1

自民党自民党で、震災対応への協力と引き換えに首相の首を要求するという行為を2回もやってます。「政局に明けくれたり、足の引っ張り合い」(安倍首相)をしていたのは、少なくとも2011年3月以降においては、明らかに自民党の方でした。

なので、菅元首相が違和感を覚えるのは当然だと思いますし、「違和感」では控えめすぎるとすら思えます。


まあ、菅おろしに関しては、産経以外の主要メディアがほとんど政局を煽っているような有様でしたので、産経・自民だけの問題ではありませんけどね。
早々に原発再稼動を宣言した安倍政権を見ても個人的にはあまりにも予想通りなので今さら驚きもしませんが、今でも原発反対の世論自体は小さいものではありません。問題はその声を政治につなげる市民団体のロビー能力の低さでしょう。菅おろしに加担したメディアは、そのロビー能力の不足を補うことを最初から放棄していたように見えます。
菅おろし最盛期、菅首相以外に脱原発をまともに進めようとする有力政治家は他にいませんでした。脱原発という方針に関して言えば、菅首相が最高の結果を出せたわけではないにしても、他の誰が首相をやった場合よりマシな結果を出せたでしょう。活断層お構いなしに再稼動方針を表明する安倍首相を見れば、それがよくわかります。
それでも菅おろしを煽ったメディアは、結局本心では脱原発を望んでいなかったか、あるいは、脱原発かどうかよりも視聴率の方に興味があったかのどちらかでしょうね。