結婚は個人にとって法律的な権利関係を大きく変える行為です。メリットもデメリットもあるでしょうが、当事者の意思によって新しい権利状態に至ることを望んでいるにも関わらず性別及びその組み合わせによる不許可とするのは、差別と言えます。法律的な対応としては、結婚行為そのものについて性別を問わなくする場合と、結婚と同等の権利状態を認める場合がありますが、ウルグアイが中南米で2番目なのは前者の場合についての様子。
同性婚認める法案が通過、大統領署名で成立へ ウルグアイ
CNN.co.jp 4月11日(木)16時15分配信(CNN) 南米ウルグアイで10日、同性同士の結婚を認める「結婚平等法案」が上院に続いて下院を通過した。大統領の署名で成立する見通しだ。同法が成立すれば、国として同性婚を認めるのは中南米で2カ国目、世界では12カ国目となる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130411-35030730-cnn-int
10日に行われた下院の採決では92人の議員のうち71人が法案を支持した。上院も2日に23対8の賛成多数で同法案を可決。ムヒカ大統領は法案を支持する意向を表明している。
隣国アルゼンチンでは2010年に同性婚が合法化されたが、その過程でカトリック教会が反発し、当時ブエノスアイレス大司教だったベルゴグリオ枢機卿(現フランシスコ・ローマ法王)が政府と激しく対立した経緯がある。
ウルグアイの教会も、同性婚が合法化されれば結婚や家族制度が大きな打撃を受けるとして法案に反対してきた。
一方、左派政党の連立組織を率いるモニカ・ハビエル上院議員は法案を支持する立場から、「この権利は長年の間否定され、抑圧されてきた。近代的、包括的であろうとする社会はこの権利を認め、平等を推進しなければならない」と訴えていた。
ここで興味深いと思ったのは宗教勢力と政治の対立ですが、宗教の祭主を元首としている事実上の宗教国家である日本では同性婚が認められる可能性は極めて低いだろうな、という感想。
テレビなどではゲイばかりが際物として笑いの種にされ、レズビアン*1はポルノの題材にされることが多い状況ですから、日本はまず精神的に遅れていると言えるかもしれませんね。
で、なぜこの話題が目についたかと言いますと、以前観た「最終目的地」という映画がまさにウルグアイを舞台とした作品で重要な脇役として同性パートナーが出ていたからです。アンソニー・ホプキンスと真田広之の演技が素晴らしい。
「最終目的地」真田広之インタビュー
*1:コメント欄の指摘により修正。2013/4/12