1907年7月の伊藤博文による大韓帝国軍解隊の策謀

以下の記録があります*1

「統監府文書3>八.日韓協約履行関係>(2)韓国軍解散に関する件」より

往電第一○五號
明治四十年七月二十八日 午後九時四○分 發
統監
珍田 外務大臣
西園寺總理大臣ヘ
此ノ際韓國軍隊ハ皇宮警衛ノ爲一大隊ヲ殘シ他ハ全部之ヲ解散スル筈ニテ協約成立ノ時ニ當リ韓國政府ヲシテ之ヲ承諾セシメ覺書中ノ一條件ト爲シ置キタリ尤將來徴兵法ヲ布キ有力ナル軍隊ヲ組織スルヲ要件トシ士官養成ハ繼續セシムル積ナリ詳細ハ外務大臣報告致スヘキモ或ハ同大臣歸京以前ニ解隊ヲ實行スルノ都合ニ至ルヤモ圖リ難キニ付豫メ此段申進ス但シ解隊ノ實行前漏泄スレハ危險ノ虞アルヲ以テ本件ハ一切祕密ニ付セラレタシ

○ 別紙 一
韓國軍隊解散ノ順序
第一. 軍隊解散理由ノ詔勅ヲ發ス
第二. 詔勅ト同時ニ政府ハ解散後ノ軍人處分ニ關シ布告ヲ發ス此ノ布告中ニハ次ノ事項ヲ含マシム
  一. 侍衛歩兵一大隊ヲ置ク
  二. 侍從武官若干名ヲ置ク
  三. 武官學校及幼年學校ヲ置ク
  四. 解散ノ際將校以下ニ一時金ヲ給與ス其金額將校ニ在テハ俸給ノ概ネ一ケ年半ニ相當スルモノ下士以下ニ在テハ概ネ一ケ年ニ相當スルモノ但シ一ケ年以上兵役ニ服シタルモノ
  五. 將校及下士ニシテ軍事學ニ素養アリテ體格強健將來有望ノモノハ一,二,三,號ノ職員又ハ日本軍隊ニ附屬セシム但シ下士ハ日本軍隊ニ附スル事ナシ
  六. 將校及下士ニシテ軍事學素養ナシト雖モ普通ノ學識ヲ有スルモノハ採用ス
  七. 兵器彈藥ノ返納ヲナサシム

○ 同軍隊解散順序(韓譯文)

第一. 軍隊解散理由의詔勅을發 事
第二. 詔勅과同時에政府 解散後의軍人處分에關係 布告를發 며此布告中에 左開事項을示明 事
  一. 侍衛步兵一大隊를置
  二. 侍從武官幾名을置
  三. 武官學校及幼年學校를置
  四. 解散 時에將校以下에一時恩給金을給與 고其金額은將校 俸給大槪一個年半에相當 金額下士以下 大槪一個年에相當 金額이라
  但一個年以上兵役에服從 者ㅣ라.
  五. 將校及下士中軍事學의素養이有 야體格强健 고將來有望 者 一,二,三,號 (前項) 에職員又은日本軍隊에附屬케 事
  但下士及日本軍隊에附치아니 事
  六. 將校及下士中軍事學素養이無 者로普通學識이有 야文官技能이有 者 文官에採用 事
  七. 兵器彈藥 (軍服) 은還納 事

○ 別紙 二
軍隊解散ノ方法
第一. 軍部大臣ハ軍部ノ主ナル職員及憲兵司令官·旅團長·歩兵聯隊長·歩兵大隊長·騎砲工兵隊長ヲ集メ詔勅ヲ傳ヘ且ツ解散順序第二項ノ布告ヲ示ス
第二. 前項諸官ハ直ニ各々其部下ニ對シ大臣ヨリ傳ヘラレタル詔勅及布告ヲ達ス此際各隊長ト共ニ日本兵約二中隊ヲ各兵營ニ同行セシメ要スレハ兵力ヲ使用ス

備考 第一項歩兵大隊長中ニハ地方ノモノヲ含ム

○ 軍隊解散方法
第一. 軍部大臣은憲兵司令官·旅團長·步兵聯隊長·步兵大隊長·騎砲工兵隊長ヲ集을召長 야詔勅을傳 며且解散順序第二項布告를示 事
第二. 前項諸官은直各其部下에對 야大臣이傳 詔勅及布告를示明 야此時에各隊長과同時에日本兵約二中隊를各兵營에同行케 고必要가有 면兵力을用 事
備考 第一項步兵大隊長中에??地方隊長도含有이라.

http://db.history.go.kr/front/dirservice/JH_TG/listMainJH_TG.jsp

「協約成立ノ時ニ當リ韓國政府ヲシテ之ヲ承諾セシメ」とか「解隊ノ實行前漏泄スレハ危險ノ虞アルヲ以テ本件ハ一切祕密ニ付セラレタシ」とか韓国側の意に反した軍隊解散であることが如実に示されています。

そりゃ、韓国側から見て伊藤博文が侵略の元凶だとされて当然でしょうね。

*1:以前、アメブロ版でも取り上げました。http://ameblo.jp/scopedog/entry-10087502150.html