西岡氏や秦氏はじめ産経文化人らがやっているのは植村氏に対する集団リンチ

文藝春秋2015年1月号に植村氏の手記が掲載されてからも、安倍政権の庇護下で、産経新聞や西岡氏のような右翼言論人が跋扈し、安倍政権という強大な権力を後ろ盾として報道機関と名乗る政府宣伝機関、それに群がる右翼言論人たちによる集団リンチが続いています。
恥を知らない連中が、国の中枢に巣食うと社会はどこまでも劣化すると言う良い実例です。できればそのような社会を一生経験せずに過ごしたかったものですが。

西岡力氏のデマ・捏造

 ――「慰安婦問題」をめぐって昨年12月10日、朝日新聞元記者の植村隆氏が「文芸春秋」に手記を発表、西岡先生への反論も含まれていました。一部メディアの取材にも応じています。慰安婦問題は新たな展開を迎えるのでしょうか

 西岡 私は月刊「正論」の最新号(2月号)で植村氏に全面的に反論しました。彼は手記で捏造(ねつぞう)記事を書いていないと主張しますが、元慰安婦本人が一度も話していない「女子挺身(ていしん)隊として連行」という架空の履歴を勝手に付け加えたこと、彼女が繰り返し話していた「貧困の結果、妓生(キーセン)になるために置き屋に売られ、置き屋の養父に慰安所に連れて行かれた」という本当の履歴を書かなかったことが捏造だと批判しました。

http://ironna.jp/article/825

当時「挺身隊」が慰安婦の意味で使われていたことは、これまで何度も指摘されていますが、西岡氏は都合の悪い指摘からは逃げ回ります。ところで「元慰安婦本人が一度も話していない」と西岡氏は言っていますが、金学順氏は北海道新聞のインタビューに対して自身を「女子挺身隊」と言っていますから、これは西岡氏のデマあるいは捏造ということになります。
キーセン学校のくだりは、30分の証言テープで話されていなければ、1991年8月11日記事で掲載されないのは当たり前の話でしかありません。12月の記事についてもそれが重要な事実でなければ記事にならないのは当然の話です。
西岡氏は、“キーセン学校に行く女性は全員売春婦でだまされて慰安所に入れられ売春強要されて当然の奴ら”という異常な女性観を持っているのでしょう。だからこそ本来重要でないキーセン学校のくだりが記事に書かれなかっただけで「本当の履歴を書かなかったことが捏造だ」と滅茶苦茶な論理を振りかざしているわけです。
ちなみにキーセン=売春婦ではありませんので、そもそも西岡氏の認識は買春男性にありがちな妄想に過ぎません。なお、金学順氏は日本軍に強姦されるまで男性経験がありませんでした*1ので、慰安婦になる前に売春婦だったわけでもありません。

批判相手の文章を、ろくに読まない秦郁彦

 秦 12月22日に朝日が委嘱した第三者委員会の報告書が出ました。植村氏の北星学園大講師雇いどめをめぐって騒動になっていたので注目していましたが、「安易かつ不用意」ではあるが「不自然はない」と浅い突っ込みに終わったのでがっかりしました。“スクープ”の元になった元慰安婦の証言を録音したテープですが、当時のソウル支局長が存在を知り、植村氏に伝えたのでソウルに出張してテープを聴いて記事にしたとしているが、支局長はなぜわざわざ大阪社会部から植村氏を呼んだのでしょうか。不可解ですよね。

http://ironna.jp/article/825

ソウル支局長が大阪社会部から植村氏を呼んだ件については、文藝春秋に掲載された植村氏の手記に書いてあります(P459-460)が、秦先生は批判相手が反論として書いている文章すらろくに読まないくせに、このような侮辱的な記載をする人なんですね。あなたの方が「不可解」ですよ。

*1:http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20150128/1422466977 「日本軍に奪われた処女」