この件で民主党が具体的な数字を調べて質問すべきだとかいう意見が散見されますが、これがどのレベルの調査を求めるのかいまいちわかりません。
全国的な実態調査なら、保育行政の官庁に予算つけて調査しなければリソース的に出来ませんから、本来的に調査から政府に要求する性質のものですよね。
一部の自治体やサンプリングでの調査なら野党が主体で調査できるかもしれませんが、安倍政権を支持しているような連中は野党の独自調査を端から信用しないでしょうからリソースの無駄遣いの可能性が高いでしょ。
で、そもそも待機児童問題って、改めて独自に調査しないと問題であることすら理解できないようなマイナーな問題じゃありませんよね。
ところで問題の「日本死ね」記事自体、5日前の2016年2月24日に衆議院予算委員会公聴会で関西大学の白石真澄教授が触れています。白石教授は公述人として保育関連の問題について詳しく説明し、予算措置なども求めています(国会中継)。ちなみに与党が選んだ公述人です。
山尾議員はこの白石教授の発言を踏まえて質問している*1のであって、質問の仕方としては適切だし妥当だと思います。
5日前に公述人が国会で述べた内容をいちいち繰り返さないと野党は首相に質問できないって訳じゃありませんからね。
山尾議員の質問は、全体として結構ちゃんとしてて甘利疑惑に対しても鋭く突っ込んでいます。安倍の方が話を逸らしたり質問内容と違う内容の独演会を始めたりとひどい状況でした。
結局、“野党の質問の仕方が下手”だと思うのは、マスコミで報道された質疑の一部分だけしか見ていないにも関わらず、それが全てであるかのように思い込み、報道された内容だけで“野党の質問の仕方”を評価しているからでは、と思いますね。
既にメディアでも報じられ、公聴会でも触れられた「日本死ね」記事について質問のさわりとして触れた部分だけを見て、それ以外の質問本体部分をほとんど理解していないようなコメントが多数見られる状況を踏まえるとそう思わざるを得ません。
*1:実際に白石公述人について言及しています。