楊海英氏がこういうことを書いています。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/05/50-9.php
「81年の第11期六中総会で「歴史決議」を採択」というのは、「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」(1981年6月27日中共第11期中央委員会第6回全体会議)「文化大革命”的十年」を指します。ここではっきりと「国家和人民遭到建国以来最严重的挫折和损失。这场“文化大革命”是毛泽东同志发动和领导的」とか「对于“文化大革命”这一全局性的、长时间的左倾严重错误,毛泽东同志负有主要责任。」とか書いてあります。
中国共産党新聞サイトの中国共産党簡史にも「第七章 十年“文化大革命”的内乱」として結構な分量を割いて説明されています。
一、“文化大革命”的发动和全面内乱
二、林彪集团的覆灭和纠正极左思潮的努力
三、同“四人帮”的斗争和1975年的全面整顿
四、粉碎江青集团的胜利
にも関わらず、楊海英氏によれば、習近平氏が2013年1月に「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」の「見直しを正式に求め」「毛時代と文革期を全面的に否定してはならない、と演説で指示した」ということです。
事実であれば、安倍政権による河野談話見直しに匹敵するような歴史修正主義を示唆する言動だと思いますが。
どうも具体的にどう言ったのかよくわかりません。
私が見つけることができたのは、以下の発言です。
http://news.xinhuanet.com/politics/2013-01/05/c_114258698.htm习近平:毫不动摇坚持和发展中国特色社会主义
2013年01月05日 19:27:31
来源: 新华网
(略)
不能用改革开放后的历史时期否定改革开放前的历史时期,也不能用改革开放前的历史时期否定改革开放后的历史时期。要坚持实事求是的思想路线,分清主流和支流,坚持真理,修正错误,发扬经验,吸取教训,在这个基础上把党和人民事业继续推向前进。
改革開放後の歴史をもって改革開放前の歴史を否定することはできないし、改革開放前の歴史をもって改革開放後の歴史を否定することも出来ない。実事求是の思想を堅持し、主流と支流を見分け、真理を堅持し、錯誤を正し、経験を積み、教訓を得て、そうして党と人民は前進する、といった内容で、まあスローガン的ではありますが、楊海英氏の言うような「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」の「見直しを正式に求め」「毛時代と文革期を全面的に否定してはならない、と演説で指示した」といった内容には見えません。
辛うじて「不能用改革开放后的历史时期否定改革开放前的历史时期」の部分が、「改革开放前的历史时期」に相当する「毛時代と文革期」を否定してはならないといった意味に取れなくはないんですが、そのすぐ後に「也不能用改革开放前的历史时期否定改革开放后的历史时期」と続きますし、「否定してはならない」を「不能」と表現するのも違和感があります。
ですが、この発言が“文革を否定してはならない”と解釈されたような感じで「习近平:不能否定前30年历史」という記事とそれを引用したサイトを見ると、“文革を否定してはならない”的な理解がされているようです。
楊海英氏の言う「習近平氏が2013年1月に「建国以来の党の若干の歴史問題についての決議」の「見直しを正式に求め」「毛時代と文革期を全面的に否定してはならない、と演説で指示した」」というのが、2013年1月5日の「不能用改革开放后的历史时期否定改革开放前的历史时期,也不能用改革开放前的历史时期否定改革开放后的历史时期。」と指すのであれば、さすがに曲解であろうと思います。
まあ、これとは別に「決議の見直しを正式に求めた。毛時代と文革期を全面的に否定してはならない、と演説で指示したのだ。」に相当する発言がどっかにあるのかも知れませんが・・・。
どうもですね、“文革”というワードが中国を中傷する際の便利なレッテルになってる気がしてならないんですよね。