いい加減“第三極”詐欺に騙されるのはやめるべきでは?

元祖としては民社党あたりでしょうが、みんなの党や維新の会あたりがイメージとしても機能としてもわかりやすいと思います。

自民党でも民主党でもない第三の選択”的に出てきたわけですが、みんなの党は既に消滅し、維新の会も支持率は民進党以下に低迷しています。

次は“国民ファースト”という小池・維新+民進党分裂組の第三極ですかね。

いい加減にしてほしいものです。

第三極がどのような役割を果たしたか

第三極が選挙で果たしてきた役割と言えば、自民批判票を分散させて、自民党候補の当選を増やし、リベラル系の当選を妨害してきただけです。
簡単に言えば、自民党のサポートですね。

昔は、社会党共産党が自民批判票を取り合って自民に漁夫の利を与えた、的な指摘もありましたけどね。共産党も含めた野党共闘路線でそれを妨害しているのが維新ですから、展開としてはわかりやすいはずです。

2000年の衆院選で事実上、自民党民主党の二大政党の対決構造が出来ました。これが2009年の政権交代まで続きます。しかし、この政権交代選挙で登場するみんなの党が2010年の参院選で11議席を獲得し、同時に民主党政権参院過半数を失います。
2012年の衆院選民主党は惨敗して、政権は再び自民党に戻りますが、この時の選挙でみんなの党に代わる“第三極”が現れます。それが維新です。2012年衆院選民主党が57議席となったのに対して、維新は54議席を獲得(みんなは18議席)しています。
つづく2013年の参院選でも民主党は惨敗し59議席に落ち込む一方、維新が9議席、みんなが18議席を獲得しています。
このあたりから反自民票が維新やみんなといった“第三極”に流れ、民主党が苦しめられていることが明確になります。民主党は野党時代だった2000年から2005年の選挙で、衆院100議席以上、参院59議席以上とっていたことを考えると、2013年以降の議席数の落ち込みは激しく見えますが、この違いは“第三極”の存在が大きいと言えます。
2000年から2005年の選挙では“第三極”が存在せず、自民党に対する批判票を民主党が吸収できたわけです。
それに対して2013年以降は、活発な“第三極”が存在しています。
このため、自民党に対する批判票は維新などの“第三極”と取り合いになり、民主党は苦しめられることになります。
2014年の衆院選では、議席数を73に増やしたものの41議席とった維新との競合が無ければもう少し取れていたでしょう(自民が大勝した2005年の郵政選挙の時ですら民主党は113議席とっていました)。2016年の参院選でも12議席とった維新と自民批判票を分けざるを得なかった民進党は49議席に後退を強いられました(ただし、この時は民進党の改選議席数が多かったという影響があります)。

さすがに、この頃までには野党が分裂していたら、自民党に利するだけだと気づく人も増えてきます。それでも野党協力が出来上がるには、2014年衆院選での共産党を除いた野党協力を経て、2016年参院選での共産党含めた野党統一候補の確立までかかりました。

野党が選挙協力したら困るのは自民党です。

自民党やその支持層にしてみれば、野党は分裂状態であった方がいいわけで、出来るだけ長く出来ることなら永遠に“第三極”ごっこで自民批判票を分散させ、自民党一人勝ちの体制を続けてもらった方が嬉しい。

はっきり言えば“第三極”の役割なんてそれだけです。

それ以外に“第三極”が政治上で果たした役割なんてありますか?

みんなの党が政治上に残した足跡って何があります?維新の会は?どんな法案を与党から勝ち取りました?与党の強行をどう止めました?
ぱっと思い出せるほど目立つ成果なんても何も無いんじゃないですか?

「野党がだらしない」とはぼやく前に、“第三極”といった詐欺に引っかかってばかりいるから、非力な野党しか生まれないってことをいい加減学ぶべきだと思いますよ。