性犯罪だからと言って90日近くの拘留が正当化できるわけではないと思う。

まず第一に死刑反対。
まあ、本事件は刑法上死刑が適用される犯罪ではないのですが、ネット上の反応見てると、死刑だの去勢だのという“国民情緒”が踊っているので一応死刑反対である立場を明確にしておきます。

この件です。

幼稚園児に暴行、撮影し口止め…小学校入学後も

2018年11月29日 14時11分
 女児に性的暴行を加えたとして、警視庁は29日、住所不定、建設作業員■■■■被告(43)(強制わいせつ罪で起訴)を強制性交と児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の容疑で再逮捕した。■■被告の逮捕は5回目。
 発表によると、■■被告は今年3月に東京都内で、幼稚園に通う女児をアパートの階段に連れ込んで乱暴し、5月には小学生になった同じ女児に同じ場所で乱暴した上、携帯電話で女児へのわいせつ行為を動画撮影した疑い。容疑を認めているという。
 ■■被告は女児の帰宅時間に待ち伏せをし、動画撮影後、「写真をばらまく」と脅して口止めしていたという。今年9月、別の保育園児に対する強制わいせつ容疑で■■被告が逮捕され、携帯電話から女児の動画が見つかったことから被害が判明した。女児以外に少女約20人のわいせつ動画があり、警視庁が余罪を調べる。
2018年11月29日 14時11分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
(※容疑者氏名伏字は引用者による)

https://www.yomiuri.co.jp/national/20181129-OYT1T50070.html

「逮捕は5回目」とありますが、過去に犯罪歴があったわけではなく9月に逮捕されてからずっと拘留され続けているものと思われます。拘留期間が切れるたび再逮捕を繰り返して拘留期間を延長する日本司法特有の手法を使っているのでしょう。
最初の逮捕が2018年9月3日だとすると、11月29日は87日目にあたります。過去記事を参照すると、9月3日の逮捕→(22日後)9月25日再逮捕→(21日後)10月16日再逮捕→(23日後)11月8日再逮捕として既に4回逮捕されている状態ですから、逮捕後48時間+拘留期間延長込みで20日=22日という期限を何度も繰り返していることがわかります。そして11月8日の再逮捕については、11月30日には拘留期限が切れますから、11月29日に法定拘留期限をリセットするために4回目の再逮捕(逮捕5回目)に至ったものと考えられます。

日産のゴーン氏*1に対する拘留には、国際的な注目が集まっていることもあり、いわゆる人質司法の問題が取りざたされていますが、児童虐待・性犯罪の容疑者に対しては拘留期間が、ゴーン氏の8倍以上になっていてもその点が問題視されないのは情けない気がします。
これも“国民情緒”ですかね。

また、この手の事件が報じられると真っ先に上がる声が、“死刑だ”“無期懲役だ”“懲役300年だ”“去勢だ”“GPSだ”というものばかりで、被害者のケアを訴える声が少ないのもどうかと思います。
罪を犯した者をいかに罰するかには一生懸命に語れるのに、被害を受けた者をいかに救うかについては大して興味を持っていないように思われて、とても残念です。
個人的には犯罪被害者支援制度の拡充を訴えたいところです。





女児わいせつの43歳の男逮捕 海外ではGPS…日本での法対策は

2018年09月05日 07時30分
 東京都内の路上で、保育園に通う女児にわいせつな行為をしたとして、警視庁捜査1課は3日までに、強制わいせつの疑いで、東京都日の出町の土木関連会社社員・■■■■容疑者(43)を逮捕した。
 逮捕容疑は昨年12月17日、都内の路上で女児に「こっちにネコがいたよ」と声をかけ、付近のアパートにある階段の踊り場まで連れ出し、体を触るなどのわいせつな行為をした疑い。
 捜査関係者によれば、■■容疑者は以前、札幌市に居住していたことから、2014年に札幌市内で起きた女児へのわいせつ事件にも関与している疑いがあるとみられる。
 調べに対して■■容疑者は「3年ぐらい前から10件ほどやった」と供述。都内では、未就学児が体を触られる事件が数件発生しており、同容疑者が関わった可能性があるとみて捜査を進めている。
 警視庁元刑事で犯罪心理学者の北芝健氏は「小児性愛者には、成人女性が怖いという人が多い。今回の容疑者が、未就学児を狙ったのは珍しいケースではない。園児を狙ったのは好みの問題で、小学生が好きな小児性愛者もいれば、園児が好きな者もいる」と語る。■■容疑者は過去の余罪についても明かした。
「これまで欧米人に多かった小児性愛者は食生活の変化により、日本人にも増加している。対象になる女児が犯人の周りにいれば、毎日チャンスがある限り、彼らは犯罪に走るでしょう」と語る。
 小児性愛者への対策については「強姦犯には女性のホルモン注射を打つという対策があるが、小児性愛者となると難しい。海外では性犯罪者にGPSセンサーをつけるなどの対策を取っている。日本での実施法がそう遠くない話になってきている」と話している。
(※容疑者氏名伏字は引用者による)

https://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/1115794/

*1:立場的に準公人と言っていいと思いますので伏字にはしません。