ADMM-plusのシンガポール沖での訓練に日本艦艇2隻が参加することは韓国側も報じているんですけどね。

この件。
防衛相、釜山沖訓練に参加表明 韓国は海自不参加と発表(藤原慎一、ソウル=牧野愛博 2019年2月23日15時25分)

問題のADMM-plusの共同訓練ですが2019年4月29日から5月14日までの期間が予定され、釜山沖とシンガポール沖で2回実施することになっています。4月29日から5月2日までが釜山沖、5月9日から13日までがシンガポール沖です。
今回のADMM-plusでは、韓国とシンガポールが共同議長国になっています。

それを前提として、2019年2月8日の岩屋防衛大臣発言「ADMMプラス、これは拡大ASEAN防相会議の下の専門家会合ですが、海洋安全保障専門家会合の海上訓練につきまして、今般は、釜山への入港は見送りますが、それ以降のプログラムには参加するという決定をさせていただきました」と読むと、「釜山への入港は見送ります」ということから、“釜山沖の訓練に参加せず、シンガポール沖での訓練には参加”とも解釈できる非常に曖昧な表現となっています。

2月20日・21日の事務協議の内容を韓国国防部はこう報じています。

ADMM-Plus 해양안보분과 연합해상훈련 계획 논의

작성자 : 관리자작성일 : 2019-02-22관련기관 : 국방부 담당부서 : 국제평화협력과담당자 : 김은경(02-748-6350) 조회수 : 109
□아세안 국가 등 18개국이 참여하는 연합해상훈련을 위한 아세안확대국방장관회의(ADMM-Plus) 해양안보분과 최종계획회의가 부산 웨스틴조선호텔에서 2.21.(목)∼22.(금)간 개최되어 18개 회원국간에 세부훈련계획을 논의했습니다.

  • ASEAN 10개국 및 韓‧美‧日‧中‧러‧인도‧호주‧뉴질랜드(8개국) 등 18개국 참여
  • 한국과 싱가포르는 ADMM-Plus 해양안보분과 공동의장국(’17.4.∼’20.3.) 수임중

•동 회의에서는 연합해상훈련을 오는 4.29.∼5.14.간 부산과 싱가포르 인근해역에서 두 차례 실시하기로 하고 총 11개국 16척의 함정이 참가(7개국은 참관)하는 것으로 결정하였습니다.

  • 부산 인근해역 1부 훈련(4.29.∼5.2.)후 이동, 싱가포르 해역에서 2부 훈련(5.9.∼13.)

•연합훈련에서는 선박 피랍상황 등 국제 해상범죄에 대한 공동 대응과 가스전 등 해양 주요시설 피해시의 보호를 위한 합동 훈련을 중점적으로 실시하기로 하였습니다.

□ 한편, 동 회의에서 日측 대표는 부산 인근해역에서 실시되는 1부 연합해상훈련에 日측 함정이 참가하지 않으나, 해상 훈련전 우리 해군작전사령부에서 개최되는 준비회의에는 참석할 예정이라고 밝혔습니다.

  • 싱가포르 인근 해역에서 실시되는 2부 훈련에는 일측 함정 2척이 참가할 계획. 끝.
http://www.mnd.go.kr/user/newsInUserRecord.action?siteId=mnd&page=1&newsId=I_669&newsSeq=I_11510&command=view&id=mnd_020500000000&findStartDate=&findEndDate=&findType=title&findWord=&findOrganSeq=

日本側に関連する内容としては、“釜山沖での第1部連合海上訓練には日本艦艇は参加しないが、訓練前に海軍作戦司令部で開催される準備会議には出席する予定であること。シンガポール沖での第2部訓練には、日本艦艇2隻が参加する予定であること。”とかなり詳細に報じています。

朝日新聞は岩屋防衛相が「4月29日から5月2日まで韓国・釜山沖で行われる海上共同訓練に海上自衛隊が参加することを表明し」「日本側は戸惑いを見せている」と記載しています。しかし、2月23日の記者会見での岩屋防衛相発言は「今般は、釜山への入港は見送りますけれども、後のプログラムは全部参加するということで臨みたい」とやはり曖昧なもので「後のプログラム」に「釜山沖で行われる海上共同訓練」が含まれるのかどうかわかりにくいままです。そして、韓国側の発表があっているとも間違っているとも言ってません。
したがって、日本は準備会議には参加するが艦艇を釜山に入港させないし釜山沖での訓練にも参加しないが、釜山からシンガポールへの移動に際し艦艇2隻が合流して、シンガポール沖での訓練には参加する、とも取れます。
「4月29日から5月2日まで韓国・釜山沖で行われる海上共同訓練に海上自衛隊が参加することを表明し」というのは、防衛省サイトの記者会見には無い表現で、口頭では言及あったのかも知れませんが、その辺は確認できません。

韓国NEWSISは朝日記事に言及し、「今般は、釜山への入港は見送りますけれども、後のプログラムは全部参加するということで臨みたい」という岩屋発言を釜山に入港はしないが、釜山沖の訓練には参加するという意味だと説明しています。

이와야 방위상은 이날 나가사키(長崎)현 사세보(佐世保)시의 아이우라(相浦)주둔지를 방문한 자리에서 기자단에게 “부산 입항은 보류하지만, 이후 프로그램은 전부 참가한다”라고 밝혔다. 부산항에 들어가지는 않지만, 부산 인근 해역에서 실시하는 훈련은 참가한다는 뜻이다.

http://www.newsis.com/view/?id=NISX20190223_0000567544

朝鮮日報も岩屋発言の解釈を同様に説明しています。

이와야 방위상은 이날 나가시키현 사세보시의 아이우라 주둔지를 시찰한 후 기자들에게 "부산에 입항하는 것은 보류하지만, 이후 프로그램에는 모두 참가한다"고 말했다. 그러면서 "적절한 판단 아래 한일 간 방위 협력도 진행하고 싶다"고 했다. 부산항에 입항하지는 않지만 부산 해역에서 실시하는 훈련에는 참여하겠다는 것으로 풀이된다.

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2019/02/23/2019022301249.html

ちなみに韓国NEWSISは日韓双方の説明を報じていますが、どちらが正しいとか「日本側は戸惑いを見せている」とかいった論評は加えていません。
その代わり、もう少し背景情報を報じています。

아세안 등 18개 회원국은 오는 4월29일부터 5월14일까지 부산과 싱가포르 인근해역에서 두 차례 실시하는데, 1부 훈련은 부산 인근 해역(4.29~5.2)에서, 2부 훈련은 싱가포르 해역에서(5.9~13) 진행된다.
국방부는 일본의 경우 싱가포르에서 진행하는 훈련에는 함정을 보내기로 했지만, 부산 훈련에는 불참하기로 했다고 밝혔다. 다만, 일본이 해상 훈련 전 한국 해군작전사령부에서 개최되는 준비회의에는 참석하겠다는 의사를 밝혔다고 국방부는 전했다.
당초 이번 훈련은 부산 앞바다에서 훈련을 시작해 싱가포르까지 이동하면서 연합 해상 훈련을 하는 방안이 검토된 것으로 알려졌다.
그러나 한일 간 군사갈등이 장기화하는 가운데 일본 측이 부산에 함정을 파견하는 문제를 놓고 난색을 표하면서, 훈련 자체가 부산과 싱가포르로 이원화됐고, 일본은 부산 훈련에는 참여하지 않기로 결정했다.

http://www.newsis.com/view/?id=NISX20190223_0000567544

元々、釜山からシンガポールまで移動しながら連合海上訓練を行う案が検討されていたが、日本側が釜山に艦艇を派遣することに難色を示したため、釜山沖とシンガポール沖の2部構成の訓練になり、日本は釜山沖の訓練には参加しないことを決めた、という内容です。

まあ、現状では何とも判断できないところですねぇ。



防衛相、釜山沖訓練に参加表明 韓国は海自不参加と発表

原慎一、ソウル=牧野愛博 2019年2月23日15時25分
 岩屋毅防衛相は23日、東南アジア諸国連合ASEAN)の拡大国防相会議(ADMMプラス)の事務レベル会合に合わせ、4月29日から5月2日まで韓国・釜山沖で行われる海上共同訓練に海上自衛隊が参加することを表明した。一方、韓国国防省は22日に海自は参加しないと発表。日本側は戸惑いを見せている。
 岩屋氏は長崎県佐世保市陸上自衛隊相浦駐屯地を視察後、記者団に「釜山への入港は見送るが、後のプログラムは全部参加する」と述べ、訓練に参加する考えを明言。その上で「適宜適切に判断しながら日韓の防衛協力も進めていきたい」とも語った。防衛省幹部も「多国間訓練への不参加は日本にもプラスではない」として、韓国側の22日の発表を否定した。
 韓国国防省は、21~22日に釜山で開かれた日韓の事務協議で海自の不参加を合意したと説明している。(藤原慎一、ソウル=牧野愛博)

https://digital.asahi.com/articles/ASM2R4S65M2RUTFK006.html

防衛大臣臨時記者会見

日時 平成31年2月23日(13:21~13:30)
場所 相浦駐屯地水陸機動団本部庁舎前
備考 佐世保視察後会見
Q:昨日、韓国の国防省がADMMの専門家会合に関連して伴う多国間の協同訓練について、4月末行う予定だったものを日本側が参加を見送るということを伝えてきたと発表しましたが、事実関係を確認させていただきたいのと、これに関して今後、韓国側に何か申し入れ等対応される予定はありますでしょうか。

A:以前からも説明させていただいているとおり、今般のADMMプラス拡大ASEAN防相会議の下の専門家会合による海洋安全保障の訓練については、関係国による最終計画会議が21日及び22日に釜山で開催されまして、防衛省からは、海上幕僚監部の担当者が参加いたしております。この訓練への参加については、先日8日、私から申し上げたように、今般は、釜山への入港は見送りますけれども、後のプログラムは全部参加するということで臨みたいと思っているところでございまして、韓国との防衛協力については、これからも適宜適切に判断していきたいと思いますが、やはり、この東アジア地域の安全保障を考えた時に、日韓関係、日米韓の関係は極めて重要でございますので、適宜適切に判断しながら、日韓との防衛協力も進めていきたいと思っております。

http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2019/02/23a.html

防衛大臣記者会見

日時 平成31年2月8日(08:34~08:40)
場所 官邸エントランスぶら下がり
備考 岩屋防衛大臣閣議後会見
Q:今週の報道官会見で、本年4月から5月のADMM専門家会合が予定されている海上訓練で、海自艦艇の釜山への入港を見送るとの発表がなされました。改めて、その理由と今後の日韓関係、防衛交流についてお考えをお聞かせください。

A:先日、青柳報道官からお伝えしたとおり、ADMMプラス、これは拡大ASEAN防相会議の下の専門家会合ですが、海洋安全保障専門家会合の海上訓練につきまして、今般は、釜山への入港は見送りますが、それ以降のプログラムには参加するという決定をさせていただきました。防衛省としては、ADMMプラスの専門家会合による海上訓練に、各国とともに参加することが非常に重要であり、「自由で開かれたインド太平洋」を作っていくという観点からも重要であると考えております。また、現在の日韓関係全体の中で、このプログラムへの参加につきましては、両国の関係が建設的に前進するような方向性を見出さなければいけないと考えまして、今般の対応が最も適切であると判断したところでございます。

http://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2019/02/08a.html