雑感

まあ、安倍政権のCOVID-19対応がひどいのは、安倍晋三という人物の政治手法を見ればさもありなんとしか思えないんですよね。

安倍氏はある組織内において他者を蹴落とし権力を掌握する手法には長けています。無論、親の七光りがあったのは確かですが、それだけではなく権力に対する執着と誰にすり寄り、誰を利用し、誰を蹴落とすかを的確に実行出来なければ、いくら何でも首相にまではなれないでしょう。
安倍氏の掌握した権力への執着も大したもので、脅威となりそうなものを次から次へと潰していく手法は見事なものです。メディアや独立性の高い官僚組織や党内のライバル、そして野党まで、いかにうまく潰してきたかを見ればよくわかります。
首相になってからも、地位が脅かされないようにうまくやっていますね。「ポスト安倍」というナンバー2を何人も並列にして、誰かが突出してくるとはしごを外して蹴落とす手法です。岸田氏、菅氏などはそれで出る杭を打たれていますね。将来的なライバルである小泉氏に対しては閣僚にして飼い殺しにするという手法と言えます。

国民の不満は、野党をDisったり、分断したり、外国の脅威を煽ったりして自分には批判の矛先が向かないようにしていますが、これも見事な手法と言えます。

自分に対する批判が大きくならないように常に分断させる、他者を貶め自分を高く見せる、というのはそれなりに優れた人心誘導術と言えます。
安倍首相は人心誘導に長け、それにより権力の掌握に成功してきたわけですが、それは人間の集団内での優位性でしかありません。

つまり、人心誘導術だけでは天変地異に対して無力です。

天変地異でもある程度の規模までなら、配下の組織が既存の枠組みで対応し、失策があっても忖度でカバーしてくれます。
しかし、COVID-19のように既存の枠組みで対応できず、安倍首相自身の判断・指導力が求められるような事態では、そのような能力のない安倍首相には対応できるわけがありませんね。
配下の組織は既存の枠組み以上のことは安倍首相の顔色を見ながらでしか出来ません。安倍首相が権力を掌握する過程でそういう組織にしてしまったからです。
将来的なリスクを想定して先手先手の対応を打とうとしても、それが痛みを伴うような施策であれば、安倍首相の了解を確信できなければやれません。忖度で出来る範囲を超えているからです。

結果として、全て後手後手に回って手遅れになっている、と。そういう現状ですね。


もし安倍首相が判断力・指導力の点でも優れていたのなら、今頃はCOVID-19の封じ込めに成功していたんじゃないかな、と思います。