米韓通貨スワップ協定に関する件・2

米韓通貨スワップ協定に関する件 - 誰かの妄想・はてなブログ版の続き。

韓米通貨スワップのドル供給、開始37日後に中断…理由は?(5/7(木) 11:25配信 中央日報日本語版)

米韓通貨スワップ協定に基づくドル供給が6回目で中断することになりました。6回分の入札状況は以下のとおり。

入札日 入札額 応札額 決済日
3月31日 120億ドル 87億2000万ドル 4月2日
4月 7日 85億ドル 44億1500万ドル 4月9日
4月14日 40億ドル 20億2500万ドル 4月17日
4月21日 40億ドル 21億1900万ドル 4月23日
4月27日 40億ドル 12億6400万ドル 4月29日
5月 6日 40億ドル 13億2900万ドル 5月8日
決済日 落札額 金利 満期日
4月 2日 8億ドル 0.5173% 4月 9日
4月 2日 79億2000万ドル 0.9080% 6月25日
4月 9日 2億7500万ドル 0.4819% 4月17日
4月 9日 41億4000万ドル 0.5323% 7月 2日
4月17日 1000万ドル 0.3300% 4月23日
4月17日 20億1500万ドル 0.3567% 7月 9日
4月23日 21億1900万ドル 0.3386% 7月16日
4月29日 12億6400万ドル 0.3348% 7月23日
5月 8日 13億2900万ドル 0.2941% 7月30日

(参照:Central Bank Liquidity Swap Operations

韓銀関係者は「通貨スワップが締結されたことで必要ならいつでもドルを調達できるという心理が金融機関に広がり、安全弁の役割をした」とし「国内銀行の外貨健全性も相対的に良好とみられる」と説明した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200507-00000030-cnippou-kr

中央日報記事にはこのような記述がありますが、金利が4月頭からかなり下がっていることもあり、まあその通りでしょうねぇ。


協定そのものは、米国連邦準備銀行FRB)と韓国銀行の間で締結されるものです。

例えば、韓国銀行が4月2日から4月9日まで8億ドル必要な場合、FRBから8億ドルの提供を受け、同時に4月2日の為替レートで8億ドル相当の韓国ウォンをFRBに提供します。そして4月9日になったら、韓国銀行はFRBに8億ドルを返済し、FRBは4月2日の為替レートでの韓国ウォンを韓国銀行に返済します*1
決済時点と満期時点で同じ為替レートを用いるため、実際の市場為替レートが変動していたとしても、FRBも韓国銀行も利益も損失も生じません。
ちなみに利息は双方に発生しますから満期時点で為替レートが大きく変動していなければ、双方プラスもマイナスも大したことになりません。


韓国銀行は8億ドルをどう使うかというと、8億ドルの110%相当額(国債など*2)を担保として市中の銀行*3に貸し出すわけです。

貸出期間は基本的に短期間で、要するに外貨払い用のつなぎ資金なわけですが、個人がサラ金で借りるようなものとは性質が全く違います。

それを混同して韓国差別するのが嫌韓バカなわけですが。



*1:Federal Reserve Board - Swap Lines FAQs

*2:国債政府保証債通貨安定証券を優先、不足する場合は、銀行債、韓国住宅金融公社発行の住宅抵当証券、ウォン貨現金も認める

*3:輸出入銀行、産業銀行、企業銀行など、国策銀行を含むすべての銀行