上田清司埼玉県知事の従軍慰安婦問題否認論

軍に従って慰安婦が行軍するのは見たことも聞いたこともない。英霊に失礼/埼玉県知事上田清司(追記あり)」で紹介されている記者会見の埼玉県のサイトからの引用です。

平成25年5月14日(火曜日)

慰安婦問題について
毎日 大阪市橋本市長が従軍慰安婦の制度について、知事は呼称についてはいろいろ御見解があると思うんですが、当時としては必要であったのではないかという趣旨の発言をされたんですけども。
 この橋本市長の発言について同じ首長の立場で、こういった問題について評価をするような、肯定するような受け止められ方をする発言をしたことについて、上田知事としてはどのようなお考えをお持ちですか。


知事 まず質問の中で「従軍慰安婦」という言葉が非常に私は気にくいません。「慰安婦」はいても、「従軍慰安婦」はいないと思っておりますので、御注意をいただきたいと思っています。軍に従事しながら慰安婦が行軍するという話は歴史上も見たこともないし聞いたこともありませんので、それは御注意いただきたいと思います。
 日本国を守るために、あるいは家族を守るために、ふるさとを守るために散った英霊の方に対して失礼だというふうに思っています。慰安婦がいたことは事実だと思っております。慰安婦が必要だったか必要でなかったかということに関しては、私は必要でなかったと思っています。
 そして、銃弾が飛び交う中というかたちで橋本市長さんは言われましたけど、一般的に言うと慰安所などがある所は非戦闘地域です。戦闘地域ではそういうことはないはずです。民間人ですから 、民間人を危険な目に遭わせるようなことはできません。同じ民間人でもいわゆる従軍看護婦だとか従軍記者と言われるのは、時として気の毒に危険な場所でもおられます。そして、不慮の事故、あるいは死に至ることもあると思いますが、そういう慰安所は激しい戦闘の場にはありません。硫黄島の中に慰安所があったかと、あるわけがないんです。従って、少し誤解もあるんではなかろうかと思っております。
 いずれにしても、基本的にはそういうものがあってほしくないし、あるべきではないと思っています。ただし、時としてそれをビジネスとしてとらえて、そういう空間を作ってくる人たちがいると、その事実はあったと。そして、いわゆる兵隊の方々に病気などが蔓延するといけないですから、当然、衛生管理上、軍はそうした人たちの衛生管理に何らかのかたちで関わった節はいろんなところに見られる節があります。当然、いわゆる感染症みたいなことにならないように医師が付いておりますので、軍にも。そうした医師、看護師を通じて一種の健康検査と言うんですか、そういったものが行われたというふうに思っておりますので、そういう意味での 軍の関与は、私は十分あったものだと思っておりますし、そういう事実の記載されている文献もあります。
 いずれにしても、慰安所は必要であるというような考え方には私は立っておりません。あるべきではないと思っています。それはもう明確なことだと思います。ただ残念だけども、そういうのをビジネスにする人たちが出てくるという、残念な結果が歴史上いくつもあるということであります。


毎日 ちょっと念押しになってしまうんですけど、そういう制度、慰安所という制度が当時必要ではなかったという、知事は、肯定はできない、当時としても存在自体は肯定できない制度だったということで、今繰り返しおっしゃられたとおりという…


知事 当然です。人類はそういうことを認めていないんです。ただ残念だけれども、そういうのをビジネスにする人たちがいたという事実はあると。
 認めちゃだめですよ、それは。私たちはそういうことを認めては。それは非常に悲しいということですね、認めては。

http://www.pref.saitama.lg.jp/site/room-kaiken/kaiken250514.html#04


ここまでが問題視されたやり取りですが、この日はその後にも慰安婦に関するやり取りがありました。産経新聞による何だかよくわからない下衆同士のやり取りです。

慰安婦問題について2
産経 今さっきの慰安所のお話ですけども、あるべきではなかったと。そういうものは認めてはいけないというふうにおっしゃったけど、戦争中でないこの平時においてもそういう場所はありますよね、実際。この埼玉にも慰安所のようなものがあると思いますけど、そういう所は認めてはいけないというお考えですか。


知事 基本的にあるべきではないと思っています。


産経 実際あるじゃないですか。それはどうしてあるんですか。


知事 今の話は、慰安所とは別個の話ですか。現代における風俗営業で、何らかのかたちで性を元にした商売が現存するではないかという御意見に対して私はどう思うかという話ですか。


産経 そうです。


知事 基本的に良くないと思っています。そのことについて、「現にあるじゃないか」と。現にあることについての様々な取締りがあるはずです。それでもなかなかなくならないという現状があることについては知っています。
 その部分はもう、私の領域を越えています。警察の守備範囲だと思っています。


産経 知事の話を聞いてちょっと違和感を覚えたのは、現代においてもそういう施設はあるわけですよ、平時においても。さっき「慰安所があった地域は非戦闘地域であって、銃弾が飛んでいる所ではない」とおっしゃったけども、銃弾が飛んでる所で戦っている人たちが帰って来る場所ですよね。
 そういう人たち、要するに軍人相手に「慰安所が必要でなかった」とおっしゃったけど、軍人の方の性欲はどこで解消すべきだったとお考えですか。


知事 ちょっと質問が違うんじゃないかなと思います。人間にそういう欲がある。それを解消するために、とりわけ「軍人の性欲を解消するために慰安所が必要でありますよ」という御意見な訳ですね。私は性欲はあるかもしれませんが、人間にはもう一つ、性欲を解消する理性もありますので。あるいはそれ以上に緊迫した戦闘地域とかありますから、性欲どころじゃないんです。だから、そういう所では必要ではない。そういうことを申し上げたつもりです。


産経 必要ではなかったと。


知事 だから、必ずしも必要だという言い回しについて、私はすごい不快感を持っています。「人間には皆、性欲があって、そういうものを処理する組織なり機関がないとだめだ」という考え方に私はくみしてないということです。


産経 戦時中は、結構、レイプとかがたくさんあったと聞いていますけど。日本人が北方領土辺りでたいぶレイプをロシア人にされたと書いてあるのを読んだりしているんですけど、そういうものを防ぐ意味はなかったでしょうか。


知事 例えそういう慰安所があっても、レイプが防げているかどうかはまた別問題だと思っています。第一、レイプを防ぐためにそういうものをきちっと運営しなくちゃいけないという考え方自体が非常に悲しいことだと思いませんか。
 実際、日本の終戦時においても、あるいはそういう考え方があったのかもしれません。でもレイプを防ぐためだったら、夜間外出を避けるとか、まとまった行動をするとか、ちゃんと敗戦国なりの立場の中で、きちっとした対処を連合国側に求めるなり、そういうことがしかるべきだというふうに思います。敗戦国だったらみんなレイプされるなんていうのはとんでもない話です。
(終)

http://www.pref.saitama.lg.jp/site/room-kaiken/kaiken250514.html#06