the_sun_also_rises 資料ブクマ 中国外交 尖閣問題 日中中間線付近の両国EEZにまたがるガス田は2008/6/18に日中間で共同開発することで合意した。http://goo.gl/2HjH3 その合意に反していると菅長官は非難した。何が何でも日本が悪いことにするのはおかしい。経緯は把握すべきだ2013/07/04
http://b.hatena.ne.jp/entry/d.hatena.ne.jp/scopedog/20130703/1372859408
そもそも菅官房長官の発言は「東シナ海の境界が未画定のなか、日中双方の主張が重複する海域で、中国側が一方的に開発することは認められない」というものであって、共同開発の話じゃありませんので、「その合意に反していると菅長官は非難した」というのは間違いです。
また、2008年6月に合意した共同開発区域は、今回中国が採掘施設を作った場所を含みません。
1.以下の座標の各点を順次に結ぶ直線によって囲まれる区域を双方の共同開発区域とする。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/higashi_shina/press.html
(1)北緯29度31分東経125度53分30秒
(2)北緯29度49分東経125度53分30秒
(3)北緯30度04分東経126度03分45秒
(4)北緯30度00分東経126度10分23秒
(5)北緯30度00分東経126度20分00秒
(6)北緯29度55分東経126度26分00秒
(7)北緯29度31分東経126度26分00秒
上記の区域は北部海域の一区域で龍井(日本名:翌檜)の南方に位置しますが、天外天(日本名:樫)の採掘施設から100キロ以上離れています。
大体元記事にも「政府関係者によると、中国の大型海上クレーン船の作業海域は、日中両政府が共同開発で合意に至っていないガス田「樫」(中国名・天外天)付近。」と書いているのに「日中間で共同開発することで合意した」とか調べもせずに平気で嘘を書く自称保守には困ったものです。
ていうか、自分で引用しているページくらいちゃんと読めばいいのに。
強いて言えば、2008年6月合意の以下の部分になるかも知れませんが、相当無理があります。
4.双方は、東シナ海のその他の海域における共同開発をできるだけ早く実現するため、継続して協議を行う。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/higashi_shina/press.html
毎日でも同じ部分を見ています。
シナ海ガス田:菅官房長官、一方的開発を批判
毎日新聞 2013年07月03日 23時22分菅義偉官房長官は3日の記者会見で、中国が東シナ海の日中中間線の西側で新たなガス田開発とみられる作業を始めたことに対し、先月27日に外交ルートで抗議したことを明らかにした。そのうえで「中国側(の海域)ではあるが、一方的に開発を進めることは認められない」と改めて批判した。
http://mainichi.jp/select/news/20130704k0000m010117000c.html
外務省の河相周夫事務次官(当時)が中国の程永華駐日大使に直接抗議した。ただ、菅氏は、政府がいつ中国側の開発の動きを把握したかについては「国家の秘密」を理由に明言を避けた。これまでに中国側から回答はないという。
日中両政府は2008年6月、境界線問題を棚上げし、中間線をまたぐ海域での共同資源探査の開始や、中国が先行開発していたガス田「白樺」(中国名・春暁)への日本企業の出資などで合意した。しかし、共同開発に向けた条約締結交渉は民主党政権時代の10年7月以来、中断している。今回、中国側の作業が判明した「樫」(中国名・天外天)付近の海域は「共同開発をできるだけ早く実現するため、継続して協議を行う」とされていた。【鈴木美穂】
しかし「継続して協議を行う」という文言が、争いのない自国EEZ内における開発を中止させる義務を発生させるものでないことは言うまでもありません。
自称保守が騙る「日中中間線付近の両国EEZにまたがるガス田は2008/6/18に日中間で共同開発することで合意した。」というのは北部海域の一部についてであって、今回採掘施設を建設している場所ではありませんので、デタラメです。
「その合意に反していると菅長官は非難した。」というのもあたりません。経緯を把握せずに何が何でも日本が正しいことにするのはおかしいという他ありません。
ちなみに下図の黄色い□が共同開発で合意している区域で、青い◇が今回の採掘施設が確認された場所です。