メディアと差別

最近、在日韓国朝鮮人に関するメディア報道の中にごく一部の過激な言動を誇大に報道したり、あるいは何の根拠もないのに韓国・朝鮮人であることをもって犯罪容疑者であるかのように流布したり、あるいは本来、特別注目されるほどのことでもない世間の一小事件であるにもかかわらず韓国・朝鮮人に関するからという理由で特にこれを大げさに掲載・報道するなどの傾向が見受けられる。

上記は現在の日本の状況を評した記事ではなく、大正10年1921年に日本帝国内務省警保局長が各府県長官宛に出した通知を現代語訳したものです*1。原文は以下で、本ブログで1年前に紹介したものです。

「JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.A06030000200、新聞紙取締ニ関スル例規(国立公文書館)」
 大正十年十一月十二日
                  警保局長
 庁府県長官宛
近時朝鮮人に関する新聞紙の記事中往々僅少なる一部不逞の徒の言動を誇大に報道し又何等拠る所なきに拘らず朝鮮人を以て犯罪嫌疑者なる如く伝え若くは特別注意に値せざる市井の一瑣事も朝鮮人に関するの故を以て特に之を掲載する等の嫌あるもの有之候処右は瞑々の中に彼等の心裡に悪影響を及ぼすこと少からず又時に外交上不利の影響を及ぼす場合も有之現に殊更に或種の浮説新聞紙法に照し処分せらるることも有之際にて場合に依り事の選択報道に就きては特に慎重の態度をとり事の真相を誤らざる様管下各社に対し厳重御注意相成度

http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20120715/1342338979

同じことを何度も言うことになりますが、日本社会は90年前から進歩していませんね。

*1:元は「朝鮮人」だったところは「在日韓国朝鮮人」に変えています。