ちゃんとソースにあたって「吉田証言の影響なんて殆ど全くといっていいくらい関係なかったのだ。したがって朝日新聞が誤報しようが訂正しようが海外メディアにとってはどうでもいいことだったのだ」という結論にたどり着いたことは、十分に評価できます。
http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20140918/1411054797
まあ、以前もこう書いたように、基本的には評価していた記事だったんですけどね。
それがいつの間にやら訂正されていました。
以前はこうでした。
(修正前)
http://ysugie.com/archives/3315
たったこれだけである。そして全体としては公文書や信頼性のある文書を得られなかったので、この特別報告書は元従軍慰安婦の女性による告白を主な根拠として書いたものである、とハッキリ記されていた。つまり吉田証言の影響なんて殆ど全くといっていいくらい関係なかったのだ。したがって朝日新聞が誤報しようが訂正しようが海外メディアにとってはどうでもいいことだったのだ。僕としたことがなんたる大きな勘違いをしていたのだろう。
それがこうなります。
(修正後)
http://ysugie.com/archives/3315
たったこれだけである。そして全体としては公文書や信頼性のある文書を得られなかったので、この特別報告書は元従軍慰安婦の女性による告白を主な根拠として書いたものである、とハッキリ記されていた。この女性はいずれにしてもこの偽報告書を作るつもりでいた。つまり吉田証言の影響なんて殆どといっていいくらい関係なかったのだ。したがって朝日新聞が誤報しようが訂正しようが海外メディアにとってはどうでもいいことだったのだ。僕としたことがなんたる大きな勘違いをしていたのだろう。
杉江氏は「この女性はいずれにしてもこの偽報告書を作るつもりでいた。」という一文を追加しています。クマラスワミ報告書を「偽報告書」というレッテルで侮辱する一文ですね。どこがどう「偽」なのかについては一言も説明がありません。
性暴力被害に関する報告書を作成するのに、被害女性の証言を根拠として書いたら、「偽報告書」扱いするのが元NHKの杉江氏の思考回路なのでしょうか。
もうひとつの訂正箇所
もう一つがここです。元はこうでした。
(修正前)
http://ysugie.com/archives/3315
朝日新聞が捏造に近い誤報をし、それを32年間も訂正せず、世論を大きくミスリードしてきた罪は極めて重いという僕の基本的な認識には変わりはない。河野談話が作成された時期は末期宮沢内閣で、自民党が結党以来初めて政権の座を奪われて下野するという、いわば死に体状態になっていた時であるというのも偶然ではないと思っている。次期首相は社会党の村山である。そのタイミングで慰安婦問題をあおったのも朝日新聞の計算であり、それも気に入らない。
前も指摘しましたが、宮沢内閣の次の首相が村山氏とはデタラメもいいところでした。
それもよほど恥ずかしかったのか、いつの間にやら修正されていました。
(修正後)
http://ysugie.com/archives/3315
朝日新聞が捏造に近い誤報をし、それを32年間も訂正せず、世論を大きくミスリードしてきた罪は極めて重いという僕の基本的な認識には変わりはない。たった2行とはいえ唯一の加害者側証言として引用元の吉田氏の著作は偽報告書に影響を与えているのだ。また河野談話が作成された時期は末期宮沢内閣で、自民党が結党以来初めて政権の座を奪われて下野するという、いわば死に体状態になっていた時であるというのも偶然ではないと思っている。
「次期首相は社会党の村山である。そのタイミングで慰安婦問題をあおったのも朝日新聞の計算であり、それも気に入らない。」のどうにも弁解しようの無い嘘は削除されましたが、逆に、「たった2行とはいえ唯一の加害者側証言として引用元の吉田氏の著作は偽報告書に影響を与えているのだ。」という一文が追加されています。
しかし、杉江氏は自分でこう言ってます。
僕は48ページをくまなく読みながら、吉田清治の証言が影響を与えている部分を探した。ところが全体の中でほんの数行、たったの二カ所しかそれはなかった。それも本題とは関係のない歴史的背景の章にだ。
http://ysugie.com/archives/3315
「本題とは関係のない歴史的背景の章に」「ほんの数行、たったの二カ所しか」ない「吉田清治の証言」を「吉田氏の著作は偽報告書に影響を与えているのだ」と主張するわけですから、杉江氏の文章能力以前に認知機能自体が心配になるほどです。
そもそも修正後の文章にしたところで、吉田証言が1982年・1983年、河野談話が1993年と10年以上離れており、「偶然ではないと思っている」という認識自体おかしく全く基礎知識の無い状態で感情だけで書いたデタラメに過ぎません。