“Abusers and offenders can walk under the sun”という状況は、日本ではまだまだ続きそう

援助交際」など「それほど重大ではない課題」という人権感覚の欠陥は別に産経新聞の専売特許というわけでもありませんけどね。

古森義久]【国連特別報告『日本の女子生徒13%援交』の虚偽、真犯人誰?】〜悪質かつ巧妙なプロパガンダ

Japan In-depth 11月14日(土)11時1分配信
国連の特別報告者が「日本の女子生徒の13%が性行為を含む『援助交際』をしている」と発言し、日本政府から抗議されて、その言を撤回したというニュースは二重三重の意味でおもしろい。
日本政府がたとえ援助交際」というそれほど重大ではない課題であれ、国連側の主張に正面から抗議して撤回させたというのは私の知る限り、初めてのようだ。
(略)
しかしなお疑問が残る。ブーアブキッキオ氏は「日本の女子生徒の13%が援助交際」という情報をどこで、どう入手したのだろうか。日本側のだれかがこっそりと教えたという可能性がきわめて高い。日本側で自国の女子生徒のそんな極端な虚構の情報をでっちあげて、国連の報告者に語らせるというのは、プロパガンダとしてきわめて悪質かつ巧妙である。だれがそんな操作をして、日本についてはおそらくまったく無知なこのオランダ人女性にデマを吹き込んだのだろうか。
(強調は引用者による)

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20151114-00010000-jindepth-int

デマでおなじみの右翼・古森氏ですが、国連に抗議して発言を撤回させたことに歓喜し、同時に「悪質かつ巧妙」なプロパガンダの犯人探しを煽っています。古森氏にとっては、「「援助交際」というそれほど重大ではない課題」という認識ですから、実態調査などの必要性も感じていないでしょう。

もうひとつ「援助交際13%発言の「国連特別報告者」の役割は何だったのか(THE PAGE 11月17日(火)11時0分配信 )」という記事があります。そこではこう書かれています。

 「13%の女子生徒が援助交際をしている」という発言が、ブーア=ブキッキオ氏が人権理事会に提出する報告書・勧告に含まれたなら、国際的に大きな影響を与えたであろうことは予想できる。菅官房長官は11日の会見で「客観的データに基づく報告書の作成を求めてゆく」と強調し、引き続き注視する姿勢を見せている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151117-00000002-wordleaf-int&p=1

ただいずれの記事も、性搾取の問題について実態調査や対策が必要であるという問題意識を喚起させる記載は一切ありません。

ブーアブキッキオ氏のレジメにはこう書かれています。

As mentioned by many of my interlocutors, “Abusers and offenders can walk under the sun while victims have to live in the shadow”. It is up to the Japanese authorities to ensure that children, including girls, have their place in society.

http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=16656&LangID=E

被害者が未だ日陰に追いやられている日本においては、13%という数字や「デマを吹き込んだ」犯人探しにしか興味のないAbusersやoffendersが陽のあたる場所で大手を振って闊歩しているわけで、この状況はまあ、あと100年くらいは余裕で続くでしょうね。

何せ誰も、影の中の被害者に興味ないんですから。