韓国軍側の公式発表は一貫している

12月22日

韓国、救助の北朝鮮船員ら引き渡し=捜索でレーダー照射か(2018年12月22日14時15分)

韓国国防省は「哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はない」と強調している。

この時点ではあっさりとした表現ですが、「哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はない」でレーダー自体の使用については否定していません。

12月23日

(海軍関係者情報)日本、“レーダー事件”外交争点化を意図…韓日外交会議時も抗議(登録:2018-12-23 21:31 修正:2018-12-24 08:26)

 度重なる日本側の主張に海軍関係者は「気象が良くない時や緊急状況では、火器管制用で捜索することもある」として「わが国の駆逐艦は日本の哨戒機と関係なく捜索のためにレーダーを稼動し続けていた」と説明した。彼は、日本の防衛省が「(哨戒機に向かって)火器管制レーダーを照射した」と主張したことにも反論した。射撃統制システムのうち、広範囲な探索をする3次元レーダー(MW08)を稼動しただけで、射撃のために標的にビームを撃ち距離を計算する追跡レーダー(STIR)は作動させていないとのことだ。

(韓国軍関係者情報)レーダー照射「威嚇行為なかった」=日本の問題提起、理解できず―韓国軍(12/23(日) 19:17配信 時事通信)

 聯合が引用した韓国軍関係者によると、韓国軍の駆逐艦20日日本海で遭難した北朝鮮漁船を捜索した際、接近してきた哨戒機に向け、映像撮影用の光学カメラを使用した。光学カメラを使用すると、レーダーが一緒に稼働するが、哨戒機に向けてビームは放射しなかったという。また、火器管制レーダーは対空用ではなく、対艦用モードで運用したとされる。

23日時点では公式発表が見つけられず関係者情報ですが、“捜索のために射撃統制システムのレーダー(MW08)も使用していたが、追跡レーダー(STIR)は使用していない”と主張しています。用語がやや混乱しているようで、「火器管制レーダー」をSTIRもMW08も含むような使い方をしています。
一応、整理するとこんな感じでしょうか。

STIR 追跡レーダー 火器管制レーダー
MW08 射撃統制システムのレーダー 火器管制レーダー
他の捜索用レーダー -- --

韓国側は、MW08は使用したがSTIRは使用していない、と主張しています。これに対して日本側は、火器管制レーダーを使用したと主張しているものの、MW08かSTIRかについては言及を避けています。

12月24日

韓国 レーダー照射問題で日本に遺憾表明=「引き続き意思疎通」(12/24(月) 17:40配信)

 日本側は韓国の艦艇が20日、遭難した北朝鮮の漁船を捜索する際にレーダーを稼働させたことについて、自国の海上哨戒機に攻撃用レーダーを数回にわたって照射したと主張。韓国側は「人道主義的な救助のため、正常な作戦活動をしたのであり、日本側が威嚇と感じるようないかなる措置もしなかった」と反論している。

韓国軍「日本哨戒機に追跡目的レーダー運用せず」(2018年12月24日15時16分 ⓒ 中央日報/中央日報日本語版)

韓国軍は当時、北朝鮮漁船を捜索していた駆逐艦「広開土大王」で速い速度で低空接近する日本の哨戒機を識別しようと映像撮影用光学カメラをつけたと繰り返し説明した。光学カメラは追跡レーダーに付いているため、カメラをつければこのレーダーも同時に稼働する。
これに関し合同参謀本部の関係者は国防部の定例記者会見で、「通常的にみると、ある国の軍艦の上空を哨戒機が通過するのは異例の飛行」とし「我々の駆逐艦はこうした日本の哨戒機の特異な行動に対し、遭難船舶探索のために運用していた追跡レーダー(STIR)に付着する光学カメラを稼働して日本哨戒機を監視することになり、その過程で一切の電波放射はなかった」と述べた。また「韓国海軍が日本哨戒機を追跡する目的でレーダーを運用した事実はないという点を明確に伝える」と説明した。

23日の韓国軍関係者情報を公式に認める内容で、MW08は使用したがSTIRは使用していない、という内容です。

12月28日

韓国国防部発表内容。

일본의 초계기 동영상 공개에 대한 국방부 입장

작성자 : 최종일 작성일 : 2018-12-28조회수 : 1024
ㅇ 한일 당사자간 조속한 협의를 통해 상호 오해를 불식시키고 국방분야 협력관계 발전을 모색하자는 취지에서 실무화상회의를 개최한지 불과 하루만에 일측이 영상자료를 공개한 데 대해 깊은 우려와 유감을 표명함.
ㅇ 거듭 강조한 바와 같이, 광개토대왕함은 정상적인 구조활동 중이었으며 ‘우리 군이 일본 초계기에 대해 추적레이더(STIR)를 운용하지 않았다’는 사실은 변함이 없음.
ㅇ 오히려 인도주의적 구조활동에 집중하고 있던 우리 함정에 일본 초계기가 저공 위협비행을 한 것은 우방국으로서 매우 실망스러운 일임.
ㅇ 일측이 공개한 영상자료는 단순히 일 초계기가 해상에서 선회하는 장면과 조종사의 대화장면만이 담긴 것으로 일반 상식적인 측면에서 추적레이더를 조사했다는 일측 주장에 대한 객관적인 증거로 볼 수 없음.
ㅇ 우리군은 어제 실시된 화상회의에서 우리 군함이 추적레이더를 조사하지 않았다는 분석결과를 충분히 설명했으며 일측의 주장을 뒷받침할 수 있는 구체적인 근거 자료를 제시할 것을 요구했음.
ㅇ 일측은 국제법과 무기체계에 대한 정확한 이해를 바탕으로 협의해 나가야함에도 일방적인 내용을 담은 영상을 공개해 사실관계를 호도하고 있는 것에 대해 다시 한 번 유감을 표함.
ㅇ 우리측은 그간 잦은 일본의 일방적인 행태에 대해 절제된 대응을 해왔음. 우리측은 일측의 이같은 유감스런 행태에도 한일 국방협력관계를 미래지향적으로 발전시켜 나가야 한다는 입장에는 변함이 없음. 일측은 우리나라와 군사적 우호협력 관계를 유지한다는 정신을 지속적으로 견지해야할 것임. //끝//

機械翻訳
日本の哨戒機の動画公開の国防総省の立場
投稿者: 最終日 投稿日: 2018-12-28ヒット数: 1024
韓当事者間早急協議を通じて相互誤解を払拭し、国防分野の協力関係の発展を模索しようという趣旨で、実務会議を開催したか、わずか一日で一側が映像資料を公開したことについて深い懸念と遺憾を表明。
当重ね強調したように、広開土大王艦は通常の救助活動中おり、韓国軍が日本哨戒機の追跡レーダー(STIR)を運用していなかった」という事実は変わらない。
当むしろ人道的救助活動に集中していた私たちの罠に日本哨戒機が低空脅威飛行をしたのは、友好国として非常に残念な一任。
当一側が公開した映像資料は、単に仕事哨戒機が海上で旋回する場面とパイロットの会話シーンだけが入れられたもので、一般常識的な側面から追跡レーダーを調査したという一側の主張の客観的な証拠として見ることができません。
当韓国軍は昨日実施されたビデオ会議で、私たちの軍艦が追跡レーダーを照射しなかった分析結果を十分に説明しており、一側の主張を裏付けることができる具体的な根拠資料を提示することを要求したこと。
当一側は、国際法と兵器システムの正確な理解に基づいて協議していくにも関わら一方的な内容を盛り込んだ映像を公開し、事実関係を糊塗していることについて、再び残念を表する。
当韓国側はこれまで頻繁日本の一方的な行動について節制対応をきたこと。韓国側は、一側のこのような残念な行動にも、日韓の防衛協力関係を未来志向的に発展させていかなければならないという立場に変わりはない。一側は、韓国との軍事的友好協力関係を維持するという精神を継続的に堅持すべきものである。// 終了 //

http://www.mnd.go.kr/user/boardList.action?boardId=I_42745&siteId=mnd&id=mnd_020600000000

これも24日までの主張と変わらず、STIRは使用していない、というものです。

韓国公式発表は当初から一貫している

要するに捜索用としてMW08は使用したが、追跡用のSTIRは使用していない、というものです。
ちなみに、MW08も火器管制レーダーの一種であり*1、「火器管制レーダーを使用した」というだけでは、MW08を指すのかSTIRを指すのか不明確です。

防衛省は28日の発表時でも「火器管制レーダーを一定時間継続して複数回照射された」*2とだけ説明し、それがMW08なのかSTIRなのかについては明言を避けているようです。
韓国側では、日本側のそのような説明に対して不信感を抱いているようです。
韓国がレーダー放射したか、日本哨戒機が威嚇飛行したか…真実攻防(ⓒ 中央日報/中央日報日本語版 2018年12月26日 06時57分)

(1)射撃レーダービームは放射したか
日本防衛省はこの日の資料を通じて韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」が20日に公海で海上自衛隊哨戒機P-1を照準してレーダーを放射したと再び主張した。日本側は「海自P-1の機材が収集したデータを基に(中略)解析した結果、海自P-1が、火器管制レーダー特有の電波を、一定時間継続して複数回照射されたことを確認した」と発表した。海軍は日本が言及した火器管制レーダーをSTIR 180(射撃統制レーダー)とみている。広開土大王に搭載されたSTIR 180は空中の動く標的を照準するビームを放射して弾着地点を誘導する。STIR 180が稼動したとすれば、日本の主張通り明らかな敵対行為といえる。
だが、軍当局はSTIR 180の稼働はなかったと断言する。ただ、射撃統制システムの一つであるMW-08を探知レーダーとして使い、北朝鮮遭難船舶を捜索した。ところでMW-08は水上目標用であって空中照準用ではない。海軍の一部では、それでも日本がMW-08とSTIR 180を一緒にして火器管制レーダーと主張しているのではないかという主張が出ている。実際、日本はレーダー照準を問題視しながらSTIR 180という名称を使わないで火器管制レーダーという用語を使った。

https://s.japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=248469

【萬物相】レーダー照射騒動(朝鮮日報 2018/12/27 11:01)

 韓日間の争点の核心は、韓国海駆逐艦「広開土大王」(クァンゲトデワン、3500トン)が日本の最新鋭哨戒機P-1にわざわざ火器管制レーダーを照射したのかどうかだ。広開土大王には目標物となる航空機のだいたいの位置を把握する「捜索レーダー」(MW-08)と、目標位置を精密に把握してミサイルを誘導する「追尾レーダー」(STIR-180)の2種類がある。韓国国防部(省に相当)と海軍は「捜索レーダーは稼働させたが、追尾レーダーはつけていない」としている。
 ならば、どちらか一方がうそをついていることになる。専門家らは「P-1哨戒機が確保した広開土大王のレーダー周波数を公開すれば、どちらがうそをついているか確認できる」と話す。広開土大王の捜索レーダーの周波数は4-6ギガヘルツだが、追尾レーダー周波数は8-12ギガヘルツで、明らかに違いがある。(略)

26日、27日の時点で韓国側報道ではMW08とSTIRの違いについて説明し、周波数が違うのだから日本側が受信した周波数を公表すれば明らかになると述べています。

炸裂するご飯論法

韓国軍側は、MW08は使用したがSTIRは使用していない、と主張し、韓国メディアも、日本が照射されたと主張しているのはMW08なのかSTIRなのか明確にすべき、と主張していますが、日本側はただ「火器管制レーダー」とのみ主張し、STIRであるかのように匂わせつつも、どちらのレーダーだったかは明確にしていません。

“STIRの照射を受けたのか?”と聞かれても、“火器管制レーダーの照射を受けた”としか答えない。まるで、ご飯論法ですね。