韓国の戦犯企業表示条例案に関する産経記事の件

この記事。
日本製品に「戦犯ステッカー」 韓国自治体で条例案提出の背景(3/28(木) 10:15配信 産経新聞)

まあ、条例案に対する与党も含む韓国内の反応については以前書きました。
嫌韓バカがはしゃいでいるソウル市での「日本製品不買条例案」に関する件 - 誰かの妄想・はてなブログ版
戦犯企業との随意契約制限条例案とか戦犯企業表示条例案とかに対する韓国国内の反応 - 誰かの妄想・はてなブログ版

産経・水沼啓子記者の記事は、一応上記の内容を押さえています。条例案に対する反応としてはまずまずちゃんと書かれている気がします。
記事タイトルの「条例案提出の背景」については、有用な内容が何もありませんけど。

せっかくなので少し突っ込んでおきます。

 ソウル郊外の京畿道(キョンギド)の議会で、戦時中に朝鮮半島から労働者を徴用した日本企業を“戦犯企業”とみなし、これらの企業の製品であることを示すステッカーの貼付を道内の学校に義務付ける条例案が、与党議員らが中心となって提出された。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

よくわからないのですが「ソウル郊外の京畿道」というのは韓国で使う表現なんでしょうか?
“ワシントンDC郊外のメリーランド州バージニア州でも可)”とか、あるいは“北京郊外の河北省”とかと似た違和感を覚えるのですが・・・。

 “戦犯企業”排除の動きは、京畿道だけではない。ソウル市議会でも今年1月、同市と市教育庁などが“戦犯企業”の物品を購入しないよう制限する条例案が提出されている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

ソウル市の条例案随意契約を制限するものですので厳密には違いますね。

 「積弊清算」を掲げ、歴史の見直しを進める文在寅ムン・ジェイン)政権。左派・革新系の文政権を支えているのは民主化運動のまっただ中、学生時代を送った世代で親北反日性向が強い。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

民主化運動で反軍事政権や反親日派(ここでは植民地時代に宗主国日本に取り入って財を成したり権力を手にした勢力を“親日派”と呼びます)というならわかりますが、「親北」というのは光州事件で民衆を弾圧した軍事政権韓国の言い分そのままですし、「反日」というのはまるで的外れですよね。

ちなみに軍事政権時代に韓国政府は北朝鮮スパイ疑惑をかけて市民を逮捕しまくったわけですが、それに対して日本の政権与党は黙認し、日本の左派勢力は釈放を訴えていました。釈放を要求された逮捕者リストの中に、北朝鮮のスパイがいたのは確かで、後に日本国内で左派勢力を攻撃する材料とされましたが、それ以外に普通の市民も数多くいました。日本の右派勢力や自民党は、軍事政権韓国で弾圧された市民を見捨てたわけで、そういう理由から「反日」という性向を持ったというならわからなくもありませんが。

 レーダー照射問題、いわゆる徴用工判決そして地方自治体で相次ぐ日本排除の動き。最近、韓国で頻発する反日の動きを、文政権が対日無策で野放しにしている側面もある。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

レーダー照射は事実関係が不明ですし、そもそも実務者協議で片付く程度の内容を騒ぎ立てて外交問題化させたのは日本側ですよね。
徴用工判決は2012年の差し戻し審で今回の大法院判決が予測できたにもかかわらず、被告企業に和解を拒絶させて大法院判決に突っ込ませたのも日本側ですよね。
韓国地方自治体の条例案の段階で「日本排除の動き」とか言ってますが、自治体レベルの交流に抗議して日韓交流を中止させている事例が日本で頻発していることを無視しすぎです。
どうも日本発で頻発している嫌韓の動きについては鈍いようですね。まぁ産経だから仕方ないでしょうけど。

 一方で、本来、左派の行き過ぎにブレーキをかけるべき保守の低迷ぶりも一因となっている。朴槿恵(パク・クネ)前大統領が弾劾されて以来、保守系が声を上げられない状況が続く。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

国保守派は現在回復傾向にありますので、現状分析を間違っているように思えます。つい直近も文大統領を北朝鮮のスポークスマン呼ばわりしてたのは保守派の自由韓国党なのに。

 ソウル市議会も京畿道議会も与党の牙城だ。“戦犯”条例化の動きは、来年の総選挙を見据え、国政を目指す地方議員らが公認を得るため、文政権にこびを売る政治パフォーマンスを行っているとの指摘もある。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

条例案を提出した議員には自由韓国党の議員もいるんですが・・・。

 韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は21日、地方議会のこうした動きについて「議会の審議過程で慎重に検討されるべきだ」と懸念を表明。京畿道教育庁も20日、戦犯ステッカー条例案について、戦犯企業に関する明確な定義や法的根拠がなく、混乱をもたらす恐れがあるとして「受け入れ難い」といった意見書を道議会に送った。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

この動きはいずれも水沼氏が「親北反日性向が強い」世代の支持を得ている与党からのものです。

 戦犯ステッカー条例案は委員会での審議を経て、4月初旬に本会議に付託される予定という。現在、京畿道議会の所属議員142人中、与党議員は135人で圧倒的多数を占める。本会議での採決には過半数の議員の出席が必要で、出席議員のうち賛成が半数を超えれば条例案は可決される。
 ソウル市議会の条例案は、委員会での審議過程で議員らが懸念を示して保留となっている。戦犯ステッカー条例案も、審議やり直しの権限を持つ京畿道の教育監(教育長に相当)が「韓日外交関係に非常に大きな影響を与える」と懸念を明らかにしているので、本会議に上程されることはない、との見方が大勢だ。果たして戦犯ステッカー条例案の行方は-。(編集委員 水沼啓子

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr

ソウル市議会も与党が圧倒的な議席数を持ちながら審議保留になってますから、与党議員の議席数を上げたところで京畿道での条例案の行く末を占うことはできないでしょうに。
そもそも、上でも指摘したように、これらの条例案の提出議員には自由韓国党などの保守派議員も含まれていて、単純に文政権だから提出された、なんて話じゃないんですよね。



日本製品に「戦犯ステッカー」 韓国自治体で条例案提出の背景

3/28(木) 10:15配信 産経新聞
 ソウル郊外の京畿道(キョンギド)の議会で、戦時中に朝鮮半島から労働者を徴用した日本企業を“戦犯企業”とみなし、これらの企業の製品であることを示すステッカーの貼付を道内の学校に義務付ける条例案が、与党議員らが中心となって提出された。
 “戦犯企業”排除の動きは、京畿道だけではない。ソウル市議会でも今年1月、同市と市教育庁などが“戦犯企業”の物品を購入しないよう制限する条例案が提出されている。
 「積弊清算」を掲げ、歴史の見直しを進める文在寅ムン・ジェイン)政権。左派・革新系の文政権を支えているのは民主化運動のまっただ中、学生時代を送った世代で親北反日性向が強い。
 レーダー照射問題、いわゆる徴用工判決そして地方自治体で相次ぐ日本排除の動き。最近、韓国で頻発する反日の動きを、文政権が対日無策で野放しにしている側面もある。
 一方で、本来、左派の行き過ぎにブレーキをかけるべき保守の低迷ぶりも一因となっている。朴槿恵(パク・クネ)前大統領が弾劾されて以来、保守系が声を上げられない状況が続く。
 ソウル市議会も京畿道議会も与党の牙城だ。“戦犯”条例化の動きは、来年の総選挙を見据え、国政を目指す地方議員らが公認を得るため、文政権にこびを売る政治パフォーマンスを行っているとの指摘もある。
 文政権発足後に初めて実施された昨年6月の統一地方選挙では与党が圧勝。一部の保守の岩盤地域を除き、ほぼ全国を制覇したと言っても過言ではない。当時から、反日の動きを警戒する声は上がっていた。与党の国会・地方議員らが、反日の二の矢三の矢を放ってくることも予想される。
 ただ今回の地方議会の“戦犯”条例化の動きには、韓国でもやり過ぎといった非難の声が広がっている。京畿道の公式ホームページの投稿欄にも、条例案を批判する道民の声が殺到した。
 韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相は21日、地方議会のこうした動きについて「議会の審議過程で慎重に検討されるべきだ」と懸念を表明。京畿道教育庁も20日、戦犯ステッカー条例案について、戦犯企業に関する明確な定義や法的根拠がなく、混乱をもたらす恐れがあるとして「受け入れ難い」といった意見書を道議会に送った。
 戦犯ステッカー条例案は委員会での審議を経て、4月初旬に本会議に付託される予定という。現在、京畿道議会の所属議員142人中、与党議員は135人で圧倒的多数を占める。本会議での採決には過半数の議員の出席が必要で、出席議員のうち賛成が半数を超えれば条例案は可決される。
 ソウル市議会の条例案は、委員会での審議過程で議員らが懸念を示して保留となっている。戦犯ステッカー条例案も、審議やり直しの権限を持つ京畿道の教育監(教育長に相当)が「韓日外交関係に非常に大きな影響を与える」と懸念を明らかにしているので、本会議に上程されることはない、との見方が大勢だ。果たして戦犯ステッカー条例案の行方は-。(編集委員 水沼啓子

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190328-00000516-san-kr