想像を絶するほどアホなタイムラインを見たので・・・。
そもそも、毛沢東は、南京で大虐殺やったのは蒋介石だと明確に言っていて、南京郊外の毛沢東の石碑にもちゃんと書かれて居ます。日本軍が南京を占領したとき、蒋介石による虐殺が収まったと毛沢東が祝杯を上げたのは有名。南京大虐殺をでっち上げたのは、独軍顧問団。ヒットラーに見せたら日本に寝返り
— Isibasi (@Cisibasi) September 15, 2019
「毛沢東は、南京で大虐殺やったのは蒋介石だと明確に言っていて、南京郊外の毛沢東の石碑にもちゃんと書かれて居ます。」とか言ってる部分は、雨花台烈士陵園の記念碑のことらしいですが、もちろん1937年12月から日本軍が行った中国軍民に対する大虐殺とは別の話です。
まあ今時は検索すれば一発でわかる話なんですが。
http://www.gov.cn/test/2008-11/26/content_1159998.htm雨花台烈士陵园
雨花台烈士陵园位于江苏省南京市中华门南,建在高约60米长约1000米的山岗上。此地因盛产五彩鹅卵石,又附会南朝梁武帝时佛教“落花如雨”故事而得名“雨花台”,1927年至1949年间,国民党反动派在此杀害了成千上万的共产党人和各界爱国人士。新中国成立后,为了缅怀先烈,启迪后人,于1950年修建了烈士陵园。
https://baike.baidu.com/item/%E9%9B%A8%E8%8A%B1%E5%8F%B0%E7%83%88%E5%A3%AB%E9%99%B5%E5%9B%AD雨花台烈士陵园
1927年蒋介石发动“四一二”政变叛变革命到1949年新中国成立前夕,雨花台变成了国民党屠杀中国共产党员和爱国人士的刑场。这二十二年中,约有近十万的共产党人、工人、农民、知识分子等革命的志士、爱国人士在此被杀害,壮烈牺牲,这里撒满了烈士们的鲜血。1950年,南京人民为了纪念革命先烈,在这里兴建了达1.14平方千米的雨花台烈士陵园。
簡単に説明すると、蒋介石が起こした1927年4月12日の上海クーデターで第一次国共合作が崩壊し、それ以降1949年まで蒋介石の国民党は共産党員などを捕えて次々と処刑しており、南京の雨花台が有名な処刑場であったことから、中華人民共和国成立直前に、1927年から1949年までの22年間に蒋介石国民党によって処刑された共産党員らを記念する記念碑を建てた、という話です。
南京事件は全く関係ありません。
ちなみに南京が日本軍占領下にあった時は、汪精衛国民政府によって蒋介石国民党のスパイ組織(軍統)の諜報員(特工)が雨花台で処刑されてもいたようです*1。
1937年の南京事件と1927年から1949年までの蒋介石による共産党弾圧を混同させ、南京事件否定論に使い始めたのが誰かですが、どうも坂東忠信氏あたりが怪しいようです。
坂東氏は2010年7月にこんなブログを書いています。
https://ameblo.jp/japangard/entry-10603254540.html毛沢東が認めた南京虐殺の犯人
2010年07月28日
(略)
さて、1949年に毛沢東が南京市の雨花台に立てた「雨花台烈士稜園」には、南京虐殺の記念碑があります。
これには、毛沢東の揮毫で、「死難烈士万歳(死せる烈士万歳)」の文字とともに、「国民党政府在雨花台曽経屠殺了三十万共産党烈士」と書かれているのです。これは翻訳すると、
「国民党政府は雨花台において、かつて30万人の共産党烈士を虐殺した」 という意味です。南京虐殺はとんでもない歴史の捏造です。
人類史上これほどでかいウソはそうざらにはありません。
しかしそんな行き当たりばったりのウソにだまされる私たちも、人類史上未曾有の大間抜け民族。チャンネル桜のスタッフの話では、以前日本からこの石碑を探しに行った先生方がいたが、見つからなかった、との事です。
(中国で石碑に関するブログを探すと、きちんと存在することが確認できました。)
(略)
毛沢東の「死難烈士万歳」の文字は陳舜臣ら*2も言及しているようでおそらく事実存在すると思われます。
というか毛沢東の「死難烈士万歳」は、各所で使われてるメジャーなものですから、別にここにあってもおかしくありません。
(例えば井崗山革命烈士陵園とか*3)
気になったのは「国民党政府在雨花台曽経屠殺了三十万共産党烈士」という記載の部分。
バカが「30万人」という数字が一致するという理由だけで南京事件のことだと決めつけたという点は今さら突っ込むまでも無いのですが。
少なくとも現在の雨花台烈士陵園にある雨花台烈士群雕(彫像)、雨花台烈士記念碑(塔)、雨花台烈士記念館、忠魂亭にはそのような記載は無さそうで、ネットで調べても次のような記載が一般的です。
1927年蒋介石发动“四一二”政变叛变革命到1949年新中国成立前夕,雨花台变成了国民党屠杀中共党员和爱国人士的刑场。二十二年内有近十万共产党人、工人、农民、知识分子等革命志士在此被杀害。1950年,南京人民为了纪念革命先烈,在这里兴建了14平方千米的雨花台烈士陵园。
https://zhuanlan.zhihu.com/p/55277594
「成千累万」(数多くの)といった記載もあったりして、蒋介石国民党の弾圧の犠牲となった有名無名の共産党員や知識人たちの全てが明らかになっているわけではなく、人数については曖昧な記載になっていることが多く、人数に言及している場合も“約10万人”といったものを多く見かけます。
坂東氏も実際に確認したのかどうかは謎です。「チャンネル桜のスタッフの話では、以前日本からこの石碑を探しに行った先生方がいたが、見つからなかった、との事」と言っており、第三者による確認はできていないようですし、「きちんと存在する」という根拠が「中国で石碑に関するブログ」とだけ書かれていて、URLも無いのでさっぱりです。
で、一応調べてみると、2000年10月のこんな記事が見つかりました。
https://www.china-week.com/html/548.htm林思云:南京保卫战与南京大屠杀
2000年10月27日 星期五 于 02:00:00 · 林思云 发表在: 历史长河
1949年中共占领南京后,在雨花台修建了雨花台烈士陵园,在烈士陵园的纪念碑上写着:国民党政府在雨花台曾经屠杀了30万共产党烈士。毛泽东亲自为纪念碑提词:“死难烈士万岁”。但在毛泽东时代并没有在南京修建“南京大屠杀纪念碑”。 1979年以前大陆的中学历史课本中,也并没有关于南京大屠杀的记述。
現在ある記念碑は1989年に建設されたものですから、それ以前に存在した記念碑には「国民党政府在雨花台曾经屠杀了30万共产党烈士」という記載があったということかもしれませんが。もう少し確証が欲しいと思う理由は、この記事を書いたのが「林思云」だという点です。
この人ですよね。
まあ、いずれにしても、1937年の南京事件と1927年から1949年までの蒋介石による共産党弾圧は直接的には全く関係ない別の事件ですから、1937年の南京事件は日本軍による中国軍民に対する虐殺暴行事件であり、国民党軍がやったことでもなければ、中共のでっち上げでもありません。
といっても冒頭のツイート主には理解できないでしょうけどね。
*1:http://www.chinawriter.com.cn/bk/2007-08-24/10954.html
*2:「中国歴史の旅」中で言及しているそうです。https://blog.goo.ne.jp/misky730/e/3b44868dd367cd4feb38f9342b051734 他に、創価学会関係者も見てるようです。https://ameblo.jp/garlicking/entry-12037286541.html
*3:http://www.baike.com/wiki/%E4%BA%95%E5%86%88%E5%B1%B1%E7%83%88%E5%A3%AB%E9%99%B5%E5%9B%AD