レベルの低い否認論に対する反論をどこまでするべきか

慰安婦問題否認論は粗製乱造され巷に溢れかえっている状況です。出来る限り、反論しておきたいとは思うものの個人ブロガー一人でできることなど知れているわけで、注目度の高い一般人が騙されやすい否認論を優先して反論したいと思いますが、なかなか手が回りません。
多少は反論記事を書く人が増えたように思いますが、そもそも否認論の数が圧倒的で状況は厳しいとしか言えません。まあ、カネもらって否認論を書いている連中とボランティアで反論を書く方では勝負にならないのも当然なわけですが。

話を戻して、では乱造されたレベルの低い否認論にいちいち反論したものかどうか、は悩ましいところです。乏しいリソースをそんなものに割くのは何ともやり切れませんし。

長谷川豊氏の虚言

長谷川豊という「ただのウソつき」君が書いた記述です。

2014年8月6日

従軍慰安婦問題」だって

朝日新聞ってもう終わりじゃないかな。そう思わせられる記事が出ました。
済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断
はっきり言って、ある程度の勉強をしてきた人間にとっては驚くような記事でも何でもなく…むしろ感想としては「何を今さら…」程度にしか思わない記事なんですが、ざっくりと説明をしておくと…
1982年に朝日新聞が吉田さんという男性から話を聞き、記事にしたわけです。
「日本軍は韓国人女性を連れ去っていって性奴隷にしていたのだー!」
「日本軍、最悪だー!」
「っていうか、日本、最悪だー!」
なんて言うか、ツッコミどころ満載のその記事は大まじめに方々で拡散され、何故か宮澤喜一元首相の訪韓と合わせて出た記事だったので、ろくな裏取りもせずに宮沢さんも謝罪。

http://blog.livedoor.jp/hasegawa_yutaka/archives/39504743.html

「ある程度の勉強」ってこのレベルですか?
「1982年に朝日新聞が吉田さんという男性から話を聞き、記事にした」「何故か宮澤喜一元首相の訪韓と合わせて出た記事だった」ってこの程度の時系列すら把握してないんですか?
長谷川豊氏って男は「ただのウソつき」君ですか?

朝日新聞が取材した講演会での吉田清治氏の話を記事にしたのが1982年、吉田氏の話が書籍化され、それを人物紹介の記事で掲載したのが1983年、その後数年間、慰安婦問題は大して取り上げられることも無く社会問題になるのは1990年代になって元慰安婦らが提訴(1991年)してから、そして関与していないとしてきた日本政府の主張を覆す軍関与資料の発見(1992年)が続き、その直後に宮澤首相が訪韓する(1992年)わけです。その間10年あるにもかかわらず「宮澤喜一元首相の訪韓と合わせて出た記事」とはバカ丸出しじゃないですか。でなければ長谷川氏の「作り話」ですね。
「ホント…歴史って勝手に作られるよねって見本みたいな話」ですね。

こういう嘘も安倍政権や産経新聞を筆頭に嘘ばかり撒き散らす社会であれば許容され、いつしかその嘘が「真実」とされてしまうわけです。

怖い話です。

補足

ああ、ちゃんと指摘している人がいた。良かった。