池田信夫氏が「東京都に「緊急事態宣言」は必要か」という記事を書いていました。
まあ、西浦博氏のシミュレーションにもあまり賛同できないのは確かですが、池田氏の指摘はそれ以前の問題なんですよね。
具体的にはここ。
第1の問題は、それが現実の感染者数の動きとまったく一致しないことだ。専門家会議が推定した3月19日の実効再生産数は全国で1以下で、東京では1.7だった。西浦氏はこういう現実のデータとは無関係に基本再生産数R0=2.5という仮定を置いて計算しているが、一体どこの国の話をしているのだろうか。
http://agora-web.jp/archives/2045256.html
池田氏は基本再生産数と実効再生産数の違いを理解していません。
基本再生産数というのは、免疫も無く感染防止の対策もとらない集団に感染者が侵入した場合の感染の広がり方を示す指標で、COVID-19の場合は2~3だと見られていますので、西浦氏の想定は妥当です。。
これに対して、何らかの感染防止の措置をとった場合の感染の広がり具合を示すのが実効再生産数です。
何らかの対策を取っていれば、当然ながら実行再生産数は基本再生産数よりも小さい値を取りますので「専門家会議が推定した3月19日の実効再生産数は全国で1以下で、東京では1.7だった」というのは、「基本再生産数R0=2.5という仮定」と何ら矛盾しません。
この辺は感染症の疫学の基本だと思うのですがね・・・。