対米戦争開戦時の日本陸軍の展開状況

78年前の1941年12月8日、当時日中戦争の泥沼にはまっていた日本はさらに対米戦争を始めるという国家的自殺行為に突入しました。
対米開戦当時、日本陸軍がどのように展開していたかとざくっとまとめてみます。

1941年11月頃の地域別の師団数等はこんな感じ。()内は南方作戦参加予定の数。

場所 師団数 その他
日本本土 8個(4) 1個(1)旅団
朝鮮 2個
台湾 1個(1)
仏印 1個(1) 1個(1)独混旅
満州 13個 9個独守、13個国守、2個戦車団、1個騎旅
中国(華北 10個(2) 12個独混旅、1個騎集
中国(華中) 11個(1) 7個独混旅
中国(華南) 5個(3) 1個独混旅
合計 51個(12)

1937年7月の日中戦争開戦時には17個師団、2個独立混成旅団(その他独立守備隊、国境守備隊、騎兵旅団などは割愛)だったものが、1941年12月には51個師団21個独立混成旅団にまで増えています。
それも満州に13個師団、中国に26個師団20個独立混成旅団を張り付けている状態で新たに対米戦争を始めて、東南アジアの占領を企図するというのは、まあ、ちょっとまともな神経だとは思えませんよねぇ。




ちなみに詳細にはこんな感じです。★は南方作戦に参加予定の部隊。航空部隊とか留守師団とかは除外してます。支隊は主要なものだけ記載。

日本本土

東部軍(東京)
 第52師団 (歩69、歩107、歩150)
★第2師団 (歩4、歩16、歩29)
中部軍(大阪)
 第53師団 (歩119、歩128、歩151)
 第54師団 (歩111、歩121、歩154)
★第16師団 (歩9、歩20、歩33)
西部軍(福岡)
★第55師団 (歩112、(歩143)、(歩144))
 ★宇野支隊(55D歩143)
 ★南海支隊(混成第55歩兵団・55D歩144)
★第56師団 (歩113、(歩146)、歩148)
 ★坂口支隊(混成第56旅団・56D歩146)
★第65旅団(歩122、歩141、歩142)

北部軍(札幌)
 第7師団 (歩25、歩26、歩27、歩28)

朝鮮

朝鮮軍京城
 第19師団 (歩73、歩74、歩75、歩76)
 第20師団 (歩77、歩78、歩79、歩80)

台湾

台湾軍(台北
★第48師団 (台歩1、台歩2、歩47)

仏印

南方軍サイゴン
近衛師団 (近歩3、近歩4、近歩5)
★独立混成第21旅団

中国東北部満州国

関東軍(新京)
 第10師団 (歩10、歩39、歩63)
 第28師団 (歩3、歩30、歩36)
 第29師団 (歩18、歩38、歩50)
 第7独立守備隊
 第9国境守備隊

 第3軍(牡丹江)
  第9師団 (歩7、歩19、歩35)
  第12師団 (歩24、歩46、歩48)
  第57師団 (歩52、歩117、歩132)
  第4独立守備隊
  第1国境守備隊
  第1戦車団
 第4軍(孫呉
  第1師団 (歩1、歩49、歩57)
  第8独立守備隊
  第5国境守備隊
  第6国境守備隊
  第7国境守備隊
  第13国境守備隊
 第5軍(東安)
  第11師団 (歩12、歩43、歩44)
  第24師団 (歩22、歩32、歩89)
  第6独立守備隊
  第4国境守備隊
  第12国境守備隊
  第2戦車団
  騎兵第3旅団
 第6軍(ハイラル
  第14師団 (歩2、歩15、歩59)
  第23師団 (歩64、歩71、歩72)
  第8国境守備隊
 第20軍(鶏寧)
  第8師団 (歩5、歩17、歩31)
  第25師団 (歩14、歩40、歩70)
  第2国境守備隊
  第3国境守備隊
  第10国境守備隊
  第11国境守備隊
 関東防衛軍(新京)
  第1独立守備隊
  第2独立守備隊
  第3独立守備隊
  第5独立守備隊
  第9独立守備隊

中国(華北

支那方面軍(北京)
★第21師団 (歩62、歩82、歩83)
 第27師団 (支歩1、支歩2、支歩3)
 第35師団 (歩219、歩220、歩221)
 第110師団 (歩110、歩139、歩140、歩163)
 独立混成第1旅団
 独立混成第7旅団
 独立混成第8旅団
 独立混成第15旅団
 第1軍(太原)
 ★第33師団 (歩213、歩214、歩215)
  第36師団 (歩222、歩223、歩224)
  第37師団 (歩225、歩226、歩227)
  第41師団 (歩237、歩238、歩239)
  独立混成第3旅団
  独立混成第4旅団
  独立混成第9旅団
  独立混成第16旅団
 第12軍(済安)
  第32師団 (歩210、歩211、歩212)
  独立混成第5旅団
  独立混成第6旅団
  独立混成第10旅団
 駐蒙軍(張家口)
  第26師団 (独歩11、独歩12、独歩13)
  独立混成第2旅団
  騎兵集団(騎1旅、騎4旅)

中国(華中)

支那派遣軍
 第11軍(漢口)
  第3師団 (歩6、歩34、歩68)
 ★第4師団 (歩8、歩37、歩61)
  第6師団 (歩13、歩23、歩45)
  第13師団 (歩58、歩65、歩104、歩116)
  第34師団 (歩216、歩217、歩218
  第39師団 (歩231、歩232、歩233)
  第40師団 (歩234、歩235、歩236)
  独立混成第14旅団
  独立混成第18旅団
 第13軍(上海)
  第15師団 (歩51、歩61、歩67)
  第17師団 (歩53、歩54、歩81)
  第22師団 (歩84、歩85、歩86)
  第116師団 (歩109、歩120、歩133、歩138)
  独立混成第11旅団
  独立混成第12旅団
  独立混成第13旅団
  独立混成第17旅団
  独立混成第20旅団

※第4師団は1941年11月に第11軍から大本営直轄に変更。

中国(華南)

第23軍(広東)
★第38師団 (歩228、歩229、歩230)
 第51師団 (歩66、歩102、歩115)
 第104師団 (歩108、歩137、歩161)
 独立混成第19旅団

★第5師団 (歩11、歩21、歩41、歩42)
★第18師団 (歩55、(歩56)、歩114)
 ★侘美支隊(18D歩56)
★川口支隊(第35旅団・歩124)

※第5師団は大本営直轄。川口支隊は第18師団の歩兵第124連隊から編成。