医療負荷のピークを下げるのは感染速度の抑制であって検査モラトリアムではないよ

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なんかこの絵を示して、検査すべきでないと主張する論調をちょいちょい見かけるんですが。

検査するかどうかは、言ってみれば感染状況の観測でしかなく、基本的に検査そのものが医療崩壊を招くわけではありません。検査しなければ見かけ上の感染者数の増加は抑えられますが、それは感染者がいなくなったわけでも隔離されたわけでもないので、観察されないところで感染者数が増えるだけです。

“検査して大勢が病院に押しかけたらどうする”といって検査しない感染者数を増やし続ければ、検査されずにCOVID-19かどうかわからない患者が溢れて医療崩壊するだけです。病院の外でいくら人が死のうがCOVID-19で苦しもうが、病院の負担さえ抑えればそれでいいというならともかく、そんなことありませんからね。

ピークを抑えるためには、感染が拡大しないように、発見した感染者を隔離する、未発見の感染者が感染を拡大する機会を減らすために社会活動を制限する、といった手段しかありません(ワクチンがあればワクチンを投与するという方法もある)。検査を減らしても、意味はなく、むしろ悪影響しかないでしょうね。

とは言え、日本の検査能力は絶望的に低いため、それ故に検査件数が増やせないので仕方ないとは思いますが。
その場合、感染状況を正確に把握するのは不可能ですから、状況がよくわからない中で市民の移動制限をする以外に無いんですけどね。まあ、移動制限の効果すらろくに把握できませんから、効果も何も見えない中で市民生活の制限に社会がどこまで耐えられるのかという懸念もありますし、どうにも良い兆しがありませんねぇ。

ちなみに以下の記事はすごく良かったです。
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