雑感

どうもCOVID-19の感染力は想像以上のようで、日本国内の実際の感染者数は数万オーダーであろうなという感じ(公式に確認された感染者数はクルーズ船を除いて4月17日12時時点で9167人*1)。
検査体制が整っている国ほど感染者数が増えてる印象もあり、日本でも検査体制を強化するほどに感染者数が増えている。
来院患者の検査を強化しても来院しない軽症者や無症状の感染者が感染を広げ続けているのも確かだろう。

ただ、検査体制を十分確保していれば、来院患者中の感染者を発見することはできるし、付随的に感染者と濃厚接触した者を検査することもできるので、来院しない感染者による感染拡大をある程度抑え込めるとは思う。つまり、感染経路の追えない陽性者が確認されたら、そこからつながる感染疑いのある人を追跡でき、拡大を阻止できることが見込める。検査を抑制していると、そういう感染源になっている患者を見逃す可能性が高くなるのが問題。

日本の場合、検査能力が極めて貧弱で感染率の高い集団をあらかじめ絞り込んでからしPCR検査ができなかった。結果として絞り込みの段階で検査対象から除外された集団の中の感染者が感染を拡大させていった可能性が高く、そうして拡大した感染者集団の中から発症・重症化した患者が出て初めてその患者が検査され感染者と確認されている。そのため、新規感染者に占める感染経路不明の患者の割合が増えていると思われる。

つまり、検査を抑制して陽性者数を減らしたものの、検査から除外された感染者によって感染が拡大し検査以前に除外できないほどの症状を示す患者が増えてきて今に至っているという感じ。
ようやく検査件数を増やし始めたものの検査件数を増やした分だけ陽性者数が増えるフェーズに陥っているので、対策が収束に貢献しているかどうかを判断しにくい状態。
クラスターを追跡して感染者を隔離して感染を阻止するという手段が現状では新規感染者を減らすことにつながらない。

接触を減らす現状の対策を効果を奏するとすれば、まず新規感染者に占める感染経路不明の割合が減る傾向を示すだろうが、それまでにどのくらいの期間がかかるのかは検査対象外で拡大した感染者集団の規模による。感染から発症までの2週間ではきかない。真の新規感染者が減り始めていたとしても、検査対象外起因の集団が大きければそこから感染する新規感染者数もそれなりの規模になり、その一部を検査が拾い続けるということになり、減少傾向が検査結果に表れるまでにはタイムラグが生じる。

まあ、いずれにせよ新規感染者数自体はいかなる対策を取ったとしても、戒厳令並みの外出禁止措置を取ったとしても今後2週間以上にわたって増加し続けるか、検査件数の制約の上限近くで推移するかするだろうね。感染経路不明の割合が2週間以内に明らかな減少傾向を見せるならば、明るい兆しではあるのでそうなってほしいところだけど、多分難しいだろうなぁ・・・。