不安は陰謀論を呼び込むという話

この件。
米メディア“武漢の研究所 新型コロナ発生源か” 米政府も調査(2020年4月16日 15時16分)
武漢研究所ウイルス流出疑惑、米情報機関が調査結果提出へ(2020.4.18 09:39)

まあ「今回のウイルスが人工的に作られた生物兵器である可能性は低いものの、あやまって広まった可能性がある」*1というのは、確かに否定はできません。
生物兵器である可能性は限りなくゼロでしょうが、事故で研究所から流出したというのはあり得る話ではあります。

むしろ、そうであってほしいところであって、自然動物起因の場合の方がよほど悩ましい状況と言えます。エボラのように宿主がはっきりと特定できない状況*2だと、今回の新型コロナウイルスSARS-CoV-2)の封じ込めに成功したとしても、再び同じようなヒトへの感染を引き起こして流行する恐れがありますからね。
研究所から流出したのであれば、SARS-CoV-2の宿主が何なのかはわかっているわけですから対応は容易です。さらにSARS-CoV-2が研究所で作られた人工的なウイルスであれば、自然界には存在しないのですから、自然界から再発する可能性はゼロになります。

でも、恐らくそんな都合の良い真相では無く、コウモリ等から直接ヒトへ感染したか、途中で別の何等かの動物を介したかして感染が広まったのであって、今もなお宿主が何かわからない不安な状況なのでしょうけどね。

原因がよくわからないという曖昧な状況に不安を感じるのは人間の性ではありますから、「トランプ氏は、ウイルスが研究所から流出したかどうかについて、断定は避けつつ、一連の説は「理にかなっているように思われる」と述べ、支持する姿勢を示唆した」*3というのも一部は、トランプ大統領の不安に起因するのかも知れません。
まあ、それ以外の大部は、防疫失敗の責任から国民の目をそらせるための政治的な思惑でしょうけど。