台湾が防疫に成功しているのに中国当局の隠蔽のせいで「新型肺炎の世界的なまん延を引き起こした」とか言っても説得力ないと思う

この件。
米法律事務所、コロナで中国への巨額損害賠償裁判提起の根拠(4/1(水) 7:00配信NEWS ポストセブン)

主権免除とかを置くとしても、下記のような主張はさすがに無理があるでしょう。

 彼らの代理人として事務所が提出した訴状は20ページに及んでいる。それによると、原告側は「中国政府、中国衛生当局、湖北省政府、武漢市政府は新型コロナウイルスの危険性と大流行になる恐れがあると知りながら、直ちに対策を講じなかった」と前置きしたうえで、「経済的利益のために、感染情報を隠ぺいし、多くの人々に身体的・心理的な傷を負わせ、多大な損失をもたらした」と指摘している。
 法律事務所の共同設立者であるラッセル・バーマン氏は米メディアに対して、「中国当局新型肺炎の世界的なまん延を引き起こした」と中国の対応を激しく批判している。原告団には新型コロナウイルスの感染者は含まれていないが、バーマン氏らによると「ウイルスの感染者が今後、原告団に加わる」ことを明らかにしている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200401-00000005-pseven-cn

少なくとも2019年12月31日には中国当局はWHOに原因不明肺炎について報告していて、台湾はそれを受けて検疫を強化し、今に至るも感染者数は300人程度に抑えていて、新規感染者も多くは海外からの渡航者で台湾内での感染は相当程度抑えています。まず、防疫に成功していると言っていい状況です。

台湾の新型コロナウイルス感染者、16人増えて累計322人に(発信日: 2020/04/01)


韓国も2020年1月3日には保健福祉部が武漢で原因不明の肺炎が集団発生していることを公表し検疫を強化しています。
알림 > 보도자료 내용보기 " 중국 후베이성 우한시 폐렴환자 집단발생 " | 힘이 되는 평생 친구, 보건복지부

新興宗教団体などで巨大なクラスターが発生するなど一時は感染者数が急拡大しましたが、現在は新規感染者が100人程度となり、日本より少ない状況になっています。
韓国の新型コロナ感染者 101人増え9887人に=首都圏で増加
予断を許さないものの、韓国も防疫に成功していると言えるでしょう。


つまり、2019年12月31日のWHOへの報告の直後に検疫を強化するなどの適切な対応を取っていれば、有効な防疫態勢をとることができたはずで、それが出来なかったのであれば、それはその国の防疫体制の問題というべきでしょうよ。
技術・リソース的に有効な対策の取れない発展途上国が言うならいざ知らず、最高の技術力とリソースを有するアメリカでそんな訴訟を起こすのはどうなのかと。